第65話 申し出
「さっきの話だけどな・・・。俺は受けてみたいと思う。」
唐突に切り出したのはオタ狼だった。
マザコン勇者とショタ姉さんが周りのものに目移りしていて
目が離れた隙にこっそり肩を組まれて話しかけられた。
ピンクだすよ?
「今の俺にはきかねえよ。なんたって獣人のハニーが
俺にはついているからな。」
ああ、毎日スッキリしてるんですね。
あれも私の一部という概念はオタ狼にないのだろうか?
「いくつか理由はあるけどよ、俺はこの町を守りたい。
このままでもこれほど配下がいる今
めちゃくちゃ強くなったと思う。でもな
お前がさっき言ってたように結局殺し合いになるなら
少しでも強くありたい。頼めるか?」
コクリと頷く。
まだこの世界で私は死んだことがない。
全員私の能力でうっかり生命を吸い取られてはいるが
私自身は未経験なのだ。
やばい、未経験とか燃える。
「じゃあ、せっかくだからショー形式にしようか!」
「なんで目立つことばっか考えつくかな・・・。」
「だって面白い町にしたいと、私も思うもん。
せっかく作り出したこの歓楽街をもっと盛り上げてこう。」
私たちは今回のこの提案をイベントという形で2人に伝えた。
中央広場で私たち以外にも複数グループをつのり
最後に2人の戦いを見せる形式だ。
本気の殺し合いはしない。
最後に私がオタ狼に噛み切られるという筋書きだけ。
ちゃんと最後にビックリ展開ありって宣伝するので
アダルトな意味で勘違いして見に来る物見遊山は多いだろうけど。
遊びの殺し合い、初めてのことっていつも胸が踊る。
あ、殺し合いって言わないか。
まったく何もせずではなくある程度の戦闘は
見世物としてするけれど
殺し合いじゃなくて殺されるんだ。なんか物騒だな。
この企画を推し進めるため歓楽街をうろつく
マザコン王子とショタ姉さんを置いて事務所に戻った。
2人はちょっと複雑な顔をしていた。




