第42話 戦闘
集団分身スキルを用い、私は今まで相手をしてきた
愛しい人たちを作り出す。
高齢でも欲望だけは猛々しかった人たち
食欲を制御できず肥満体型を維持する人たち
お金を払わないと他人と目を合わすことすらできない人たち
外見というとてもつまらない入れ物に囚われた
みんなみんな私の癒しを必要としてくれた、私の命の源。
分身は配下統制の力と元の身体能力を引き継いでいるため
なんとか羽根も生やして飛び回り回避はするものの
巨体の暴走に右往左往する。まるで群がるハエのようだ。
しかしドラゴンにはショックだったようだ。
なにせこの城は美しい大理石のような白
周囲のものは完璧に等しい美しい人たち
きっとこういう正反対のものに抵抗があると思ったんだ。
ドラゴンは狂ったように火を吹き暴れまわる。
こちらは各分身が睡眠濃霧を吹き出し全身に吹きかけていく。
力では勝てない、なら弱らせて弱みを見つけるしかない。
時間稼ぎをするんだ。
城が崩れていく。周囲の美しい配下は
ドラゴンの姿に戻り飛び去っていく。
普段から高圧的で潔癖症でも発揮していたんだろう。
心からつきしたがう配下とか周りに誰もいないんだ。
動きが鈍りつつある。目が怒りに真っ赤に光る。
<<私の城をこんなにして!!絶対許さない!!!>>
叫びながら高エネルギーを口内に溜め
必殺技でも使おうとしているようだ。
生死をかけることになるけれど
人間の欲というのを私は信じるよ。
三大欲求、食欲・睡眠欲・性欲
これは生きている限り付きまとう呪いであり救いだ。




