第114話 救出と影
この黒い霧の中地上に出てなんとか動けるのは
私だけのようだった。
町民や冒険者たちはみんな兜や鎧はあってもマスクとか空気の攻撃に
対処できる人たちがいないらしい。というか毒の濃度が濃すぎて
普通のマスクでも対抗できないようだ。
地下街のほうは半分がピンクの魔力でできているから
暴れられさえしなければなんとか霧の侵入は防げるだろう。
それにしてもやっぱりコレは毒の・・・転憑依者?
悪意の塊だ。脳筋を推奨するわけではないが
体も心も通わさず一方的な攻撃って
何も言わずにミサイル打ってくるようなものだ。
目的がわからないから説得も魅了もできん。
どこにいるかもわからないのでとりあえず町民たちを回収していく。
力仕事得意じゃないんだけどな・・・。
まだ封じていない入り口のほうへ行ったり来たりして
少しずつ人を運んでいるんだけど手が足りなさすぎて
改めてサキュバス増員。これ以上スタッフいらないんだけど。
それなりに強くなっていた魔力もこの惨事に目減りしていく。
地下街は女王区域の子に権限あるから私が捕まっても
霧の侵入は防いでくれるはず。
むしろ捕まったほうが説得できそうな気はするけど。
何度目かの往復中、入り口を守っていたオタ狼が
心配そうに声をかけてくる。
「俺も、手伝えないか?一応ピンクのやつで
顔を覆うことはできるんだが・・・。」
「おーっ 忘れてた!!よろしくよろしく!!」
人手?が増えました。
その頃遠くから歯噛みしつつ見つめる影があった。
「なんなの?どうしてみんなだれかのものなの?!
私となにも変わらないじゃない。
どうせみんな嘘つきのくせに!!」
そして霧の濃度が上がっていくーーー。




