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5/11

もう一枚

日とともに月も改まった。

6月3日(月)の今日は、さっそく梅雨を彷彿とさせる雨となっている。


(今年もあのジメついた季節がやってきてしまわれますなぁ)


そんな心内語とは裏腹に、私の心はどこか浮ついていた。

理由は言うまでもなく、先日の「ルーズリーフ」の一件である。


2階までの階段も、別に急ぐ必要もないのに、小走りで軽やかに上がってみる。

E組は階段を上がって左側に曲がってすぐだ。

教室に入るのが今までにないくらい楽しみなのに、それと同時になぜか少し緊張している。

この時間だと、まだ朝礼までに時間があるので、まだ彼は来ていないはずなのだが。


(今日はどういう顔をして過ごせば良いのでしょうか!)


一人で勝手に盛り上がりつつも、膨らんだ鼻の穴を元の大きさに戻して教室に入ろうとする。

すると、既に来ていた10数名のうちほとんど全員が前方に集まっていた。何やら黒板に紙が貼られている。


「あ!南だ!来て来て!大事件なんだよ!!」


いつも一緒にいる、去年から一緒のクラスの宮田麗亜が興奮気味にこちらに手招きする。


(何何っ!大事件とな!?)


私はこの手の騒ぎが大好きだ。基本的に数日たてば忘れるようなくだらない事だとしても、一時でも楽しめればそれでいいと思っている。そういうわけで、迷いなく黒板に向かっていく。


(張り紙ということは、暴露系ってところか。教師同士の不倫とか?それともクラスの誰かが誰かと付き合ってるとかそういうありがちな・・・)


授業以外は眼鏡をかけないので、裸眼の状態でしっかりと見えるくらいに近づく。


するとそこには見覚えのある、だけど少し違う、あ(・)の(・)「ルーズリーフ」がくしゃくしゃになって貼られていた。


そして、宛先は私ではなく、親友の「澪」宛になっていたのだ。






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