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夏
額から、背中から、全身から流れる汗を感じる。
晴れ。
空が高い。どこまでも遠くて、青い、空。
夏の雲が白く、青に色を添えている。
たった1人、そこに、取り残されたような感覚になる。
ぐるりと囲むギャラリーの声援。
仲間たちの応援。人々の視線。
開け放たれた空に吸い込まれていく、吹奏楽の音。
夏の日差しが眩しい。
楽器が反射して、きらりと光る。
背中の「1」が重く、そして、誇らしい。
たった1人、そこに立つのは、ただ1人。
だけど、
目を閉じると仲間を近くに感じる。
1人じゃない。知ってる。
目の前の仲間にこの、思いのこもった1球を。
この日だけじゃない。
毎日、毎日練習した。この舞台にたち続けるために。
仲間との日々を、まだ、終わらせたくはない。
まだ、夏は終わらない。
終わらせない。
熱い、真っ赤な闘志を胸に、目を開く。
暑い、熱い……。
頬を伝う汗が、ぽたり、と落ちた。
夏
>Do you like red?
あついですね。
2015/8 秋桜空




