僕は君に恋をした
太陽の日差しが燦々と降り注いでいる。季節は降り続く雨を超え、夏がやってきていた。たっぷりと注ぎ込まれた潤いに応えるかのように、緑は美しい色をしていた。
まぶしい空の青と緑がこの季節を感じさせた。そんな季節に僕は、出会った。
いつもの道を歩いていたはずなのに、気になってみてしまった。緑に紛れてしまいそうな、だけれども目を惹く存在だった。
眩しいはずの太陽に向き合い、懸命に背を伸ばす姿に、惹かれたのかもしれない。
僕は、太陽と向き合う、その姿が眩しかったと思う。
だから、僕は近づけそうで、それができなかったんだ。見守るだけで、僕は精一杯だったんだよ。
夏の太陽は辛過ぎて、それでも、その姿に毎日励まされた。太陽に手を伸ばしているような、遠く届かないはずなのに、どうして、一生懸命になっているのだろうか。
何故だかは分からない。解らない、判らない。
それに理由はあるのかもしれない。でも、僕には知る事ができない。
夏が終われば、その不可能に立ち向かうその眼差しの理由がわかるのだろうか。
僕は夏の間、君にだけ、目を向けていた。
緑の中の目を惹かれる存在。
ようやく近づけたのは夏が終わる時。
元気をなくして、空をみる事ができなくなった君を見つけた。真っ赤な太陽に向けていた視線は、大地から逸らす事はなかった。
そして、きれいな色をなくしつつある君はたくさんの涙を流した。
その一つ一つには命が宿っているかのように見えたのは、僕の気のせいでは無い気がする。
そっとすくった涙を手のひら一杯にした僕は、涙を枯らした君を見た。
もう、あの時のように目を惹かれる存在では無くなった。
でも、この涙でまた君に会う。
この季節がくる限り、僕は何度でも君に会える。それはたとえ、この夏出会った君ではなくとも。
僕は君に恋をした
>Do you like yellow?
夏です。
2015/6 秋桜空




