金時計の番人
時の流れ。
世界に生きる人々に平等に与えられるもの。その流れる時の速さは皆同じなのだ。だが、与えられる量は、人により異なる。
世界の流れ。
この世界とは違うどこかに存在する、世界の流れを保つ、金時計。金時計が狂ってしまえば、世界は混乱に陥ってしまう。だから、金時計には管理者、番人がいる。
今日も金時計の番人は光り輝く金色を磨いていた。番人は黒く汚れてしまう金時計を毎日磨いていた。針が滑らかに時を刻むように、オイルをさしていた。
番人は金時計を守ることに誇りを持っていた。人々の役に立つ仕事をしているのだと。
たとえ、金時計がある場所が知られず、誰にも見てもらえないとしても、光り輝く金時計が動いている事だけで番人の誇りだった。
番人には、時々、声を聞く。
人々は時の流れを等しく与えられている筈なのに、心によって、その流れを変化させる。
嬉しく、楽しければ速くなり、悲しく、辛ければ遅くなる。
番人は不思議だった。
──お願い、時よ、止まって……!
また、この願い。
人々はよく、時を止めるように願う。そんな事をしては世界が狂い始めていつかは、時の流れに飲み込まれる。
時は等しいから時であり続ける。
時が等しくなければ、争いは絶えないだろう。
人は全く同じは有り得ない。もっているもの、もっていないもの。出来ること、出来ないこと。不平等だ。
不平等は争いを生み出す。
だから、時は平等で流れなければいけない。
番人は人々の傲慢に耳を塞いで、輝く金時計に見とれた。
金時計の番人
>Do you like gold?
時の流れは平等だからこそ、また、残酷だ。
2015/5 秋桜空




