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080⚫️理想的環境にいるふたりの会話(想像的寓話)
アデンの園でのふたりの会話である。
「な、ひ」
(呼びかけ。挨拶のような、存在の確認のような音)
「ひ・・さ」
応える。まだ眠気の残る声。
湯気がふわりと揺れる。ひとりが器に顔を寄せる
「な、さ」
湯の匂いを指しているらしい。
「さ」
短い肯定。しばらく沈黙。
アデンでは沈黙が会話の一部。
木漏れ日を見る。
「ぺ・・さ」
光を見て、心が動いた気配。
「ぺ、さ」
同意。
小さく笑う。
「ま・さ」
相手に向けられた、柔らかい音。
少し間を置いて、同じ音が返る。
「ま、さ」
ふたりの距離が、より近くなる。
「な・・ぺ・・?」
曖昧。広さか、場所か、気持ちか。
湯気を見つめたまま、短く返す。
「な・・ま・・さ」
’ここ’と’あなた’と’いい’が重なる。
湯気に指をかざす。
「さ・・・さ」
納得のような、安心のような声音。
肩に触れる手。
「ひ」
大丈夫、のような落ち着いた低音。
その手に、もうひとつの手が重なる。
「ひ・・さ」
感謝の表情。
光がふたりを包む。
アデンの朝は、短い音と静けさで満ちていく。




