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067⚫️模様が刻まれた石
聞いたか?
なんか、すげえお宝を持ち逃げしてるおっさんがいるらしいぞ。」
うん、相当な値がつくんだとよ。
しかも、そいつ学者先生の成れの果てで、たったひとりらしい。
簡単にぶっ飛ばせる!こいつは見逃す手はないぜ。
オレたちで頂いちまおう。
路地裏の薄暗い空気の中で、
無法者たちがひそひそと相談を始めた。
握りこぶし大の楕円球の黒い石。
その表面には、隙間なく文様が刻まれていた。
繰り返される模様もあれば、絵のような形もある。
それらは、ただの装飾ではない。
’何かを伝えようとしている’という気配だけが、強烈に残る。
オルド・パイライトは、年代測定の結果とともに
その石を背中のリュックに大切にしまい込んだ。
汗がにじむ。息が荒い。
だが、これだけは渡せない。
自分が発見者であり、功績者になるのだから。




