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022⚫️謀るのはウワバミ
「ほう。高速で物資を安全に輸送する船、ですか。」
男は興味深げに、しかし静かな眼差しで耳を傾けた。
ウワバミは、サトラップからの’辺境に奇跡の一団がいる’という不確かな噂だけを頼りに、ようやくこの地に辿り着いていた。
「はい。大陸の港々を効率よく結び、飢饉の地には豊かな地の穀物を一刻も早く届ける。それが叶えば、どれほどの民が救われることか。」
ウワバミの言葉には、汚れなき大義名分が宿っていた。
男はしばらく考え込んだ後、落ち着いた声で口を開いた。
「わかりました。設計してみましょう。資材の調達はそちらでお願いできますか。」
「無論です。何とぞ、よろしくお願いいたします。」
ウワバミは深々と頭を下げた。男はすぐさま主だった仲間を呼び、図面を広げて相談を始める。
その活気に満ちた様子を最後まで見届け、ウワバミは宿へと戻った。
一人きりになった部屋で、彼女の表情から’商人’という仮面が剥がれ落ちる。
これで陛下の’無茶’は、あのお人好しの連中に押しつけることができる。
あとは、彼ら彼女らが作り上げる果実を、こちらで都合よく頂くだけだ。
彼女はまだ知らない。
天幕の中で真摯にペンを走らせている男が、かつて王の傍らに侍り、そして非道な法令に背いて追われたバルハインその人であることを。




