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009⚫️目覚め
「おはよう。よく眠れたか? さあ、朝食に行こうぜ。」
ショーンの屈託のない声で、シャルロットはゆっくりと目を開けた。
窓から差し込む朝の光が、部屋の隅々を白く塗り替えている。
・・・ああ、こんなに安らかな朝が、私にも訪れるなんて。
すべてを奪われ、憎しみだけを糧に生きてきた私が、こんなふうに穏やかに目覚める日が来るなんて、夢にも思わなかった。
そうだ。私が意識を失う瞬間、あなたが抱きとめてくれた・・・。
大きくて、不器用で、温かな腕で。
けれど、今の私には、あなたに返せるものなんて何一つ残っていない。
誇りも、家族も、未来も・・・。
私はもう、すべてを失ってしまったのだから。
「おいおい、何をぼーっとしてんだよ。メシだよ、メシ! 食欲はすべての根源なんだぞ。ちゃんと食わなきゃ、大きくなれないからな!」
ショーンは自分の腹を叩き、豪快に笑う。
本当に、呆れるほどの天然だ。
可笑しいな・・・。なんで、涙が出てくるんだろう。
シャルロットは、こぼれ落ちる熱いものを指先でそっと拭い、服を着た。
「今、行くわ。ちょっとだけ待ってよ。」
彼女はショーンと並んで食堂へと向かった。
隣を歩く彼の横顔が頼もしく見えた。




