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ウィーンの歌姫は来世の自分と共謀して邪教祖を断罪する ~魂の管理人 人生を書き直す1789年の復讐~  作者: チャイ猫


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人生を書き直す、一大プロジェクト

 ライセは話を本筋に戻した。


「このままだと両方の世界に悪影響を及ぼしかねないので、魂世界を管理する者たち……

 私よりはるか上の立場の存在たちは、同時代に存在する魂たちに協力を募(つの)りました。

 マリアを核とした二つの世界への悪影響を阻止するため、壮大な計画を立ち上げたのです」


「私の人生の書き直しも、その一環だと? 」


「はい。ですから今回の計画で人生の軌道修正をするのは、あなただけではありません」


「?」


「マリアと、マリアに深く関わった魂の多くが、この計画に加わることを選択しました」 


「マリアも?!」 


 諸悪の根源であるマリアが何故? 


「あの女は人間の皮をかぶった悪魔よ。そんな計画に賛同するはずないわ」


「マリアの魂が望んだのです」


「そんなバカな!」


「マリアの魂Dを含む魂Cが参加を望みました。自覚はないですが、マリアも魂レベルでは同意しています。マリアの人格は悪業の清算と魂の成長のために、この書き直し計画に参加するのです」



 マリアにも善性があるというのか? あるはずがない。

 カテリーナは信じたくない。


「マリアはいくつもの人生で犯した罪の償いをするため今まで何度も転生しましたが、いつも彼女が生きた環境と顕在(けんざい)意識……私利私欲(しりしよく)で残忍な性格が邪魔をし、償うどころか悪業は増すばかり。

 今からでも行いを改めて償いの人生を生きれば、魂は大いなる学びと成長を得られるでしょうに……」


「そんなこと、どうでもいいわ。私はね、マリアに私以上の苦しみと絶望を味あわせたいの。他の被害者たちも、きっと同じ気持ちよ」


 たとえマリアがすべて償っても、失われた命は戻らない。



「ライセさん。どうしてなの? どうしてマリアみたいな女が天罰を受けずにのうのうと生きているの? あんな女……今すぐ地獄に堕ちて、永遠に苦しめばいいのに!」


 ライセは腕組みし、うんうんと肯く。


「カテリーナさん。いつかマリアも罪を償う時が来ます」


「私が生きているうちに償うべきだったわね。叶うなら、今すぐこの手で復讐するのに!」


「そのお気持ち、わからなくもありません。でも、マリアの罪は多すぎるから、この人生で償い切れないでしょうねぇ」


「それならマリアはいつ償うの? いつまで待てばいいの? いつ私に償ってくれるのよ?」


 やられっぱなしで人生を終えるなど、耐えられない。


「この計画の結果しだいですかねぇ。マリアは懲(こ)りることを知らないのでしょう。本人の資質もだけど、宿った肉体の家系の因縁もありそう。そのへんも生まれる前にいろいろ調整したはずだけど、如何せん、本人がねぇ……」


「マリアの前世や来世はどんな人間だったの?」


「いずれも人並外れて私利私欲にまみれた人間でした。

 反社会的な団体の長や邪教の教祖、重税を課して無益な戦争をする悪徳領主などです。

 財産を奪うために罪のない者を魔女に仕立てた異端審問官(いたんしんもんかん)だったことも……。

 その時の被害者は私たちと同じ魂Cから生まれた魂Dの一人で、彼女も火あぶりにされました」


 なんという悪因縁(あくいんねん)。


「罪を償うとは……? したことがそのままマリアに返るの?」 


「同じような辛い体験をするとは限りません。マリアはかなり特殊なパターンですしね」



 ライセは首をかしげ、どんな言葉で説明すればカテリーナが理解できるか考えた。



「カテリーナさん。マリアのような人間……多くの人々を苦しめた邪教(じゃきょう)の教祖(きょうそ)が、反省も償いもなく死ぬと……どうなると思いますぅ?」



 とても興味深い。


 カテリーナは尋(たずね)ねかえした。



「いったい、どうなるの?」

この続きは、明日の午後5時以降に投稿いたします。

お楽しみに<(_ _)>(^^)

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