夜の対話、本音を明かす(上)
「そなた、先ほど司馬懿の隠忍、朝中の宦官、軍中の不和について語ったが、我とてまったく気づかぬわけではない。」諸葛亮は低く言い、目の奥にきわめて淡い笑みが浮かんだ。「司馬懿は営を閉ざして死守し、我が命風前の灯火と見て、戦わずして勝ち、天命は魏に帰すと考えている。笑うべきことに、彼は知らぬ。この亀縮の策、我が半月前にすでに算じ尽くしていたことを。彼は我を消えかけの灯と見なすが、我はかえってこの『消えかけ』の仮の姿を借りて、彼が蜀営に潜ませた眼を釣り出そうとしている。彼の見る勝券在握は、我がわざと見せた衰えに過ぎぬ。そなたの見る死局は、我がすでに眼に収めており、そなたの出す活路は、まさに誰かが渡してくるのを待っていた。」
胸に溜まっていた息が、ついにゆっくりと吐き出された。
なるほど、諸葛亮は早くから洞察しており、ただ将計就計、兵を動かさずにいたのだ。私の為すべきは、丞相の心の中のその一点の微光を、火に点燃することだ。
ちょうどその時、帳の外にかすかに、風の音に混じる人声が聞こえ、甲冑の士が往来しているらしい。風の音の中のその一点の人声が、針のように耳に刺さった。五丈原の大営、危機は四処に潜む。
帳の外には、無数の眼が丞相の一挙一動を見張っている。
軍中では、楊儀と魏延はすでに水火の如く、矛盾は一触即発。
魏軍の大営では、司馬懿が虎視眈々とし、絶え間なく蜀軍の虚実を探り、ことに諸葛亮の体の具合を注視している。
朝中では、益州の士族と荊州の旧部の間に暗流が涌き、北伐の功成るを盼む者もあれば、すでに密かに異心を生じた者もいる。黄皓の類は、後主の側でひそかに寵を得つつあり、すでに蜀漢の根に食い込んだ虫だ。
私と諸葛亮の一歩一歩は、いずれも薄氷を踏む思いで進まねばならぬ。
諸葛亮を見つめ、声を沈めて言った。「丞相、この刻より、幾つかの事があり、即刻為さねばなりません。半時も怠れぬものです。」
「言え。」諸葛亮の口調は丁重で、すでに私を唯一の転機と見なしていた。
「第一に、即刻対外に宣言してください。私は丞相の帳下に新たに召し抱えた親随の小吏で、突如風寒に罹り、帳中で臥している、と。外の猜疑を免れるためです。」私は冷静に分析した。「私の来歴は明らかならず、ひとたび人に把柄を握られれば、通敵、妖言惑衆を弾劾され、丞相がたとえ庇おうと欲しても、悠悠たる衆口を塞ぐことは難しい。」
諸葛亮は微かに頷いた。「この事は易しい。我が即刻取り計らう。」
「第二に、一切の不必要な軍務を停止してください。丞相は即刻床に臥して静養し、塩水を少量摂り、十分な睡眠を保たねばなりません。私が即刻、丞相のために新たな治法を立て、まず利水消腫、内を養います。」私は言った。「丞相、私と約束してください。今日より、軍政の事は一切手放してください。さもなくば、どんな良薬も、あなたが己が身を死に向かって耗らすのには勝てません。」
諸葛亮はしばし黙し、ゆっくり頷いた。「よし、我がそなたに応じよう。」
「第三に……」私の眼が微かに沈み、声をさらに低くした。「丞相、即刻密かに令を下し、魏軍の間者を厳しく監視してください。同時に、軍中の幾人かの重要な将領を、なおさらよく安撫し、制衡してください。ことに……魏文長と楊威公を。」
「二人の不和は、すでに公然の秘密です。ひとたび丞相の身に些かの変があれば、軍中は必ず乱れます。軍中が乱れれば、司馬懿の来攻を待つまでもなく、我が身から先に敗れるでしょう。」
諸葛亮の眼が一凛とし、深く私を一瞥した。その眼に驚きや疑いはなく、ただ「この者、案の定わきまえている」という了解があった。
「そなたの言う通りだ。」諸葛亮は声を沈めて言った。「我が心に数あり。」
私は軽く息を吐いた。
この三手、一見平実だが、そこかしこに伏線がある。
身分を隠すのは、危機に満ちた大営で生き延びるためだ。
静養は、諸葛亮に命を続けさせ、後の布石のために時を争うためだ。
将領を安撫するのは、蜀軍を二分する内乱を事前に解消するためだ。
一歩一環、環環と相扣つ。
諸葛亮の命を安定させ、蜀軍の内部を安定させ、ゆっくりと司馬懿に対処すれば、すべて、なお転機はあろう。
帳の外、幾名の士卒が夜回りの隙に、旗竿の影に縮こまって耳を寄せていた。
「聞いたか? 丞相の寝台の脇のあの他所者、親随の小吏と認められ、なんと丞相の医薬を任されるようになったと!」
「来歴の知れぬ他所者に、丞相が天命を妄りに語らせ、軍医を託すとは? 我ら古参の老医官が何年仕えてきたと思っているのか、彼に及ばぬとは。」
「ふん、危ういと思うぞ。もし彼が奸細なら、我が全軍がろくでもない目に遭う。」
数人はますます不平を漏らし、その「来歴の知れぬ他所者」に矛先を向けた。彼らは天命を解さず、目の前のものだけを信じる。そして目の前にあるのは、彼らには見透せぬ見知らぬ人だ。
だが彼らは知らない。帳中の丞相が、先ほどすでにこの「他所者」を、形勢を覆す駒と見なしていたことを。
ちょうどその時、帳の外に微かな足音が聞こえ、続いて低く恭敬な声が響いた。
「丞相、従軍の医官が参上つかまつりました。丞相に製剤をお届けいたしたく存じます。」
諸葛亮と私は顔を見合わせた。
私は微かに首を振り、慎重に対応するよう諸葛亮に示した。
諸葛亮は意を会し、淡々と口を開いた。その声は、平時の沈着な威厳を取り戻していた。
「入れ。」
帳の入口がそっと押し開かれた。
灰布の直裰を着て、薬碗を捧げた一名の老医官が、ゆっくりと帳中に歩み入り、頭を垂れて身を屈めた。「老躯、丞相に拝謁つかまつります。」
医官は頭を垂れていたが、その眼は何気なく、素早く私を一瞥した。私の結った頭巾、その青衫の身なり、私の脇で離さぬアルミの箱を走り過ぎ、眼の色が微かに察し難く一閃し、やがてまた素早く伏せられ、何も見なかったかのようだった。
私は寝台にもたれ、眼元を微かに伏せていたが、背中にはひそかに一層の冷汗が滲んでいた。
おかしい。
この医官は……問題がある。
一筋の淡い危機感が、ひそかに降りかかった。
私は気づかぬふりをし、ただ何事もなく眼を閉じ、指先だけがそっと布団の端を握り締めた。
五丈原の風は、ますます冷たい。
殺気は、すでに見落とせぬあらゆる隅に潜んでいる。
そして私と諸葛亮の逆天改命の道は、ようやく始まったばかりだ。
この後、一歩一歩が、いずれも九死に一生であろう。
帳の外の秋風の中、司馬懿はこの時、まさに不戦勝の美夢を見ている。
彼が今この時何を考えているか、私はよく知っている。彼は知らない。蜀営の中で、諸葛亮がすでに私を形勢を覆す駒と見なしていることを。ましてや、彼が苦心して潜ませた間者、彼が待ち望む「孔明の死報」が、やがて彼のために精巧に張られた死局となることを。
「天、我に助く」という四字は、五丈原の夜風に落ちるには、笑うには早すぎた。
先ほど旗竿の下で耳を寄せていた幾名の士卒は、ちょうど丞相の帳中から沈着な指示が聞こえてくるのを聞いた。明らかに、あの「他所者」を親随として立て、医薬を託そうというのだ。先頭で呟いていた士卒は呆け、振り返って低く言った。
「……丞相は、本当に彼をお頼みになるのか。」
同袍がちゅうちゅうと舌を鳴らし、忸怩として言った。
「先ほど我ら二人、人を冤じたようだ。」
数人はもはや声を出さず、顔を見合わせ、冷たい息を吸い込んだ。なるほど丞相はとっくに私の分量を見抜いており、己らが先ほどまで私を野人か間者と罵っていたとは。思うと背後に汗が出る。数人が帳中の私の青衫の影を見る眼は、ひそかに変わり、その一点の怨嗟が、実在の嘆服と羞愧に化した。
諸葛亮、命は風前の灯火。この時、大営の外で最も彼の死を望む者は、他ならぬ。まさに引き籠もって出でず、ただ彼が息を引き取るのを待って掩殺しようとする司馬懿だ。
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