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五丈原にて諸葛亮を救い、その義子となる  作者: ほしかわ さとる
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面聖、皓を審る(上)

面聖、皓を審る(上)

――黄皓、入見。


殿外の秋風が宮檐を掠める中、私は階下に立ち、振り返って、まだ傷の色を帯びながらも背筋を真っ直ぐに立てて側に立つ諸葛雲を見た。義子の甲冑には塵と血がこびりついているが、その背筋は寸毫も曲がっていない。二十年の暗刃が、今日ついにこの昭昭たる殿宇の下で、満朝に隠された暗桩をことごとく剖き出そうとしている。


私は微かに首を側め、声を低くした。


「雲将軍、まもなく陛下に会ったら、卿はただ実情を奏すればよい。楊儀、黄皓が埋めた暗桩は、今日こそ明るみに出るべきだ」


彼女は極めて軽く頷いた。その眼の薄い赤は、傷の痛みか、それとも宿願を果たさんとする静けさか。殿外の宮灯が次々と灯り、黄皓入見の旨はすでに下った――この二十年遅れの対質が、ついに始まる。


わずか一盏茶の後、殿外から急促な足音が伝わってきた。


劉禅は龍椅に端坐し、初めはまだ慵懶に凭几にもたれ、指先で漫然と案の縁を叩いていた。昨夜、奏章を子の刻まで批閲し、眼底にはまだ倦色が残っている。だが殿帘が掀がり、私と諸葛雲が前後して踏み入るのを見、諸葛雲の胸に巻かれた素布とまだ褪せぬ傷の白を見た瞬間、その眸の慵懶は風に散るように消え、ゆっくりと審視の色に凝った。


黄皓が来た。


わずか半時前、彼はまだ偏殿で鏡に向かって髪を整え、孔明が久戦し糧欠く中、この上奏で彼を押さえ込もうと算段していた。孔明が「兵を擁して外にあり、軍機を怠る」と弾劾する草稿まで書いていた。ただ「蜀軍自潰」の偽報が宮中に入るのを待って、落井下石し、さらに宮中の権柄を一分奪おうとしていた。今の彼は、歩みも従容、口元に甚至笑みさえ浮かべている。斜谷の死士がすでに全滅したことも、宮中の私印を捺した死士令が今、私の手の油布囊の中にあることも知らない。彼はただ、自分が宮中で片手で天を覆い、孔明は遠く五丈原で手が届かず、成都のこの盤は依然として自分が仕切っていると思っている。殿に入る前、彼は忘れず袖を整え、まるで寻常の召見に赴くかのようだった。


――彼は天衣無縫と思っていた。


だが殿帘を掀いて正殿へ踏み入った瞬間、その足が猛然と止まった。


龍椅の上、劉禅の面色は鉄の如く、怒らずして威あり。階下の左側には、斜谷で死ぬはずだった私と諸葛雲が立っている。諸葛雲は左胸に素布を巻き、顔色にはまだ傷の白さがあるが、背筋を真っ直ぐに伸ばし、義子の身で、この昭昭たる日月の下に立っている。黄皓の、暗処で算計することに慣れた眼が、瞬時に針の先ほどに縮んだ。彼は諸葛雲を知っている。密令で死士に「必ず截殺せよ」と命じた目標の一人だ。斜谷に屍を晒しているはずが、今、生きたまま階下に立ち、胸には襲撃の傷布まで巻いている。彼の喉仏が制御できずに転がり、袖の中の手が骨節まで白く握られた。それでも強いて寵臣の笑顔を保ち、何事も見なかったかのようだった。


「陛下、臣を召され……」と彼は慌てを押し殺し、先に口を開いた。その語気には無理に熟稔の笑みを絞り出している。「まさか前線より捷報が。私はすでに賀表を草し、陛下のために――」


「黙れ」


劉禅の声は高くなかったが、刺すように冷たかった。彼は油布囊から死士令を金磚の上へ投げた。「当啷」と一声、令箭が黄皓の足元へ滑る。


「これ」と劉禅は指先で一点した。「覚えがあるか」


黄皓は眸を垂れて一瞥し、令の上の見慣れた宮中私印を見て、瞳孔が骤然と縮んだ。それは彼が自ら発し、死士の調遣にのみ用いる暗印で、二つとない。だが宮闈に数十年も混じった老狐狸、電光石火の間に神色を稳め、竟然と笑みを絞り出した。


「これは必ず偽造。陛下、小人の構陷に惑わされてはなりませぬ。この天下、誰が臣の陛下への忠心耿耿を知らぬと申しましょう」


彼の言葉が終わらぬうちに、殿上は先に炸裂した。


侍中陳祗は元々班中に立っていたが、この時一歩踏み出し、面色鉄青、声は寒冰の如く。


「黄皓。卿が私に死士を調え、通敵売国し、鉄証すでに御前に落ちた。かかる逆賊、車裂にして先帝に謝すべきなり。臣、陛下に請う、直ちに旨を下し、典刑を明らかにせんことを」


その言葉は急で厳しく、まるで自ら進んで黄皓を剮りたいかのようだった。


殿上の衆臣は、もとより死士令の私印に冷気を吸っていたが、素来沉稳の陳祗がこれほど憤激するのを見て、さらに一腔の義憤が湧き上がった。数名の、かつて黄皓に抑えられていた清流が率先して列を出、斉しく誅を請う。先ほどまで怯えて附和していた同郷の郎官も慌てて口を改め、黄皓を指して「狼心狗肺」と罵る。須髪皓白の老臣に至っては、玉笏を一拍し、声を震わせて言った。


「通敵売国、罪は赦されず。臣も附議す、陛下、直ちにこの獠を斬り、軍心を安んぜられよ」


一時、満殿はただ「殺せ」の二字のみ。


私は階下に立ち、この一切を眼底に収めていた。


――これこそ私の張った第二層の局だ。黄皓は宮中に多年経営し、党羽は盤根錯節。彼一人を捕らえるだけでは、近臣が無意識に彼を庇う者もあろう。だが陳祗に先に「大義滅親」を演じさせれば、満殿の火はすべて黄皓一人に焼き向かう。逆に、この火の下に別の手が埋まっていることなど、誰も考えなくなる。


黄皓の額角には、すでに細かな汗が滲んでいた。彼は陳祗を見やり、この「同謀」の顔に一抹の默契を求めようとしたが、ただ陳祗のあの「恨鉄不成鋼」の怒容にぶつかるだけだった。彼は喉仏を転がし、無理に笑顔を保って劉禅に言った。


「陛下。臣……臣に確かに疏失はございましたが、これも陛下のために憂いを分かとうとしたゆえ。この軍師は来歴不明、宙に湧いたように現れて軍師の位を奪い、諸葛雲はただの義子に過ぎぬのに、何の徳があって白毦親兵を掌り、軍務を稽核できましょう。彼ら二人が合謀して臣を構陷し、宮中の権柄を奪おうとしているのではございませぬか」


陳祗はこれを聞き、辱められたかのように顔を赤らめ、厲声で応じた。


「よくも悪人先に告状するものだ。軍師と雲将軍は前線より血を浴びて帰ったのだ、どうして卿の攀咬を許そうか。陛下、この閹竖の黒白を顛倒する言葉を聞いてはなりませぬ」


――満殿は皆、陳祗こそこの刻、最も忠直な者と思っていた。


私は一歩進み、油布囊を軽く案の上に置いた。声は平稳だが、一字一字が刃の如く。


「陛下、黄皓の罪、臣が先ず実証を呈します」


私は囊中の二物を取り出し、龍案の上に広げた。


「其一、斜谷で截り取った密使の親筆の供述。黄常侍が偽報を携えて魏に入らせ、『成都を克した後、万戸に封賞する』と約したと指認しております。供述には密使の画押があり、指印が捺されております」


「其二、この死士令。宮中の私印、先ほど黄常侍ご自身も認めたはず。令は甲乙に分かれ、これは『死字三号』。宮中に存档された签发簿と照合いたしましたところ、昨夜すでに人を遣わして核対させました。まさに黄皓が上月十五に親しく発し、斜谷各口の卡哨を調遣した那道にございます」


黄皓は面は死灰の如く、それでもなお強弁した。


「たとえ……たとえ臣に疏失ありと雖も、これも陛下のために憂いを分かとうとしたゆえ。この軍師は来歴不明――」


私は淡々と遮った。


「卿が口を極めて陛下の憂いを分かとうと言うのなら、なぜこの死士令には卿の私印が捺され、陛下の御印がないのか。通敵の者こそ私印で人の目を遮る必要がある。忠臣が兵を調えるに、なぜ隠し立てが必要か。黄常侍、卿のその『赤心』、あまりに深く蔵しすぎたのではないか」


黄皓は脊骨を抜かれたように、踉跄として半歩後退し、唇が翕動したが、もはや一句の弁明も出てこない。満殿の「殺せ」の声はますます烈しく、劉禅さえ微かに頷いた。この「通敵逆賊」は、まさに黄皓一人の罪に定まろうとしていた。


――だがこの局は、密使が網に落ちたその刻から、一層ではなかった。



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