帳外(ちょうがい)窺探(きこう)(下)
第22 帳外窺探(下)
「心臓の機能はすでに安定し、咳血の危いはひとまず去り、体力はゆっくりと昇る。」私は沈めた声で稟した、「今日を以て、方案に養心、律を穏やかにする薬を二種加え、薬効を固める。日本のラジオ体操は朝晩各一遍、途切れてはならぬ。過度の労を重ねぬ限り、十日も経ぬば、丞相は大半の生機を回復なされよう。」
諸葛亮は微かに頷き、瞳に暖かさが巡った。病重以来、随軍の医者はただ「丞相は労り過ぎ、静心に休養すべし」との空言をのみ言い、かつて余人如く、一語で病根を破り、手を出せば奇効を見た者はなかった。この信頼は、すでに幾度もの生死一線の間に、深く心の底に刻まれていた。
「余のこの命は、そなたに鬼門関から引き戻されたようなものじゃ。」と諸葛亮は軽く嘆き、口調には誠があった、「もし来日、真に中原を克復し、漢室を興復でき得ば、そなたが首席の功なり。」
「丞相、言を重んじ給う。」私は身を屈めて一揖し、「私のなせるは、ただ命を繋ぎ、道を指し、局を破るのみ。真に蜀漢を支え、三軍を率い、天下を安んずるは、終始として丞相なる御方なり。私はただ時を得たり、あの千古の遺憾を補うために参じたに過ぎぬ。」
「千古の遺憾……」諸葛亮は低く四字を繰り返し、目を帳外の晨光に投じ、眼差しは微かに暗み、直ちにまた確固として取って代わられた、「そなたが在るゆえ、この遺憾、改むることあたわずとは限らぬ。」
両人が語る最中、帳の外から沈穏にして秩序ある足音が聞こえ、直後に諸葛雲の声が外で恭しく響いた。「丞相、先生——魏将軍、姜将軍が令に奉り外で待ち、内に入ることを請うております。」
諸葛亮の眼差しが一つ正しく、「入れ。」
帳の簾が掀かれ、二つの姿が大股に入ってきた。
左の一人は、身形魁梧、面容剛毅、顎の下に微かな鬚、重鎧を披き、腰に長刀を佩き、身に悍勇凛烈の気を漲らせるは、征西大将軍、都亭侯——魏延、字は文長なり。彼が目を帳内に一掃すれば、諸葛亮の血色の好転を見て、眼にまず驚き、直ちに隠しきれぬ奮起を露わした。
右の一人は、身形挺拔、面容俊朗、気質沈穏儒雅、一領の銀甲は清潔利落、まさに諸葛亮が自ら抜擢し、懇ろに教えた心腹の愛将、奉義将軍、当陽亭侯——姜維、字は伯約なり。彼が眼差しは鋭利にして恭しく、諸葛亮に向く目には、弟子の長への尊崇が満ちていた。
両人は揃って片膝をつき、「我、丞相に拝す!」
「起きよ。」諸葛亮の口調は平らかなれど、疑うべからざる威厳を帯びていた。
「丞相に謝す!」
魏延、姜維が立ち上がり、魏延が真っ先に抑えきれぬ口を開き、声に激情を押さえて、「丞相、今日の御色……かように良くなられたとは?昨夜、私めは令に依り伏兵を設け、心裡ずっと丞相の御体を案じ、寝食も安ならず!」
諸葛亮は淡く言った。「漢室の洪福を頼み、余の体はやや好転せり。今日、そなた二人を召したるは、軍機の要務あり、面にて申し付けん。」
魏延、姜維は同時に神色一凛となり、凝神して静かに聴いた。
私は黙って側に退き、彼の傍らに立ち、風を搶らず、位を越えず、されど常に随時献策し、大局に呼応する位置にあった。私は胸の中で明らかだった。この蜀漢の軍営にあって、諸葛亮こそ核心、旗幟、軍心の在る所なり。我は謀りを為し、伏線を為すことはあれど、決して君臣の尊卑を越えてはならぬ。
「昨夜、魏軍の夏侯威が三百余騎を率い、我が東側の草料営に来たりして虚実を試せり。」諸葛亮はゆっくりと口を開いた、「文長、そなたは計に依り偽り敗れて敵を誘い、よくなせり。」
魏延の顔に一抹の愧色が浮かんだ。「私め……かような屈辱の戦、かつて打ったことがござらぬ。明らかに一挙に全殲できたるを、わざと潰え敗れ、兜を棄て甲を捨て、魏軍に狂わしめて去らしめた。」
「一時の辱を以て全局の勝を換え、取るに足らず。」諸葛亮の眼差しは深遠、「そなたは、余が真に彼の司馬懿を恐れると思うか?」
魏延は一怔し、「丞相の意は……」
「余は司馬懿に、余が病危に起ち得ず、蜀軍の軍心大いに乱れたりと、確信させたいのじゃ。」諸葛亮の声は微かに一沈、「彼は百日堅く守り、まさにこの日を待ちしならん?今、夏侯威が『大勝』の報を携えて帰れば、司馬懿は必ず狂喜し、我が軍は敵うべからずと認め、一二日を出でずして必ず自ら大軍を率い我が中軍大営に直撲し、一戦にて局を定めんと欲するであろう。」
姜維の眼差しが猛しく一閃し、瞬時に領悟した。「丞相は——敵を深く誘い入れ、門を閉じて犬を打ち、天羅地網を設け、司馬懿が自ら網に投じ来るを待つのでありますね!」
「さよう。」諸葛亮は羽扇を軽く搖し、瞳に久しくなかった鋒芒が一閃した、「伯約、そなたの心は致密なり、そなたに言わしめん、我が軍いかに布陣すべきか?」
姜維は一歩前に出で、口調沈穏、条理判然として、「私は、三路に分かれて伏兵を設くべしと存ず。一路は、魏将軍をして精鋭騎兵を率い、東側の山谷の外側に埋伏せしめ、魏軍の主力が谷に入らば、その後路を断たん。二路は、私の率いる歩兵弓弩手をして、山谷の両側の高処に埋伏せしめ、魏軍が谷に入らば、箭雨斉に発たせ。三路は、丞相自ら中軍の精鋭を率い、谷口の正面に守り、営寨を虚に張りて敵を来攻に誘わん。三路包囲すれば、必ず司馬懿を重創せん!」
「よし!」諸葛亮は賛じ、「我が自ら調教せし者、計は我が思う所と、謀らずも合えり。」
魏延は血潮を沸かせ、拳を抱いて高く声をあげた。「丞相!私め、先鋒を願い、必ず司馬懿の首級を斬り、帳下に献じて、かの偽り敗れの辱を雪がん!」
「焦ってはならぬ。」諸葛亮は軽く首を搖った、「司馬懿は生来多疑なり、偽の情報を得てなお、必ず後手を残す。我が軍は全殲を求めず、ただ重創を求め、その鋭気を挫き、再び我が軍を軽んじ、再び堅く守りて戦わずと言うことあたわざらしめん。この一戦の勝を以て、膠着の勢いを転じ、北伐の士気大いに振るい、進退自由とならん。」
私は傍らに静かに聴き、胸中ひそかに嘆じた。諸葛亮の用兵、なるほど泰山の如く穏やかなり。一戦を以て魏を滅ぼさんとは求めず、ただ膠着を破り、士気を振るい立たせんとす、これこそ蜀漢の国力に最も合う謀略なり。
私は一歩前に出で、低く補足した。「丞相、両将軍、一つ気を付くべき事があり。司馬懿は自ら来るといえど、必ず先鋒をして前に試させ、主力を後に置かん。我が軍伏撃の時、早く暴露してはならず、魏軍の大部が谷に入るを待ち、然る後に一斉に発動せねば、重創の効に達せぬ。」
「その他に、」私が眼差しを微かに沈め、声を潜めた、「我が軍の中に、なお内通者が潜伏し、高位に居て、核心の軍機に接することあたわる。伏撃の計、決して外に漏らすこと半句もあるべからず。今日帳内の言、帳を出でば忘るべし、何人たりとも第三人に語ることあるべからず。さすれば、伏撃圏は必ず見破られ、我が軍反って算計に遭わん。」
この言が出で、帳内は瞬時に一静した。
魏延、姜維は同時に顔色一変し、眼に驚怒を露わした。
「軍中にまた細作がおるのか?」魏延の声は一沈、「しかも高位の者か?我、直ちにこれを捜そう、地を掘っても三尺その裏切りを掴み出してくれる!」
「妄りに動くべからず。」諸葛亮は即ち制止した、「この者は隠れ極めて深く、根底浅からず、むやみに清査すれば、ただ蛇を驚かして草を動かすのみ。眼下の重なるは、この一場の伏撃を勝つことなり。内通者の事は、余と弘正、すでに段取りあり、彼、逃るることあたわず。」
魏延は性子急なりといえど、軽重を知り、只得怒りを押さえ、重く拳を抱いた。「我、命に遵ず!すべて丞相の吩咐に従わん!」
姜維も沈めた声で応じた。「私、必ず機密を厳守し、計を謹み守り、半分も漏らさず。」
「文長、そなたは直ちに営に帰り、精鋭を整え、密かに開拔し、声張ることあるべからず。伯約、そなたは弓弩手と滚石擂木を配し、密かに山谷の高処へ運び、何人たりとも気づかせることあるべからず。正午までに、すべての人馬は必ず持ち場に就き、我が合図を待つのみ。」諸葛亮は断固として令じた。
「我、命に遵ず!」
両人は斉しく声を応じ、再び礼を為し、身を翻して大股に帳外へ退き、足取り慌ただしけれど、皆抑えきれぬ戦意を帯びていた。
帳内は再び静かになった。
諸葛亮は我を看て、眼差しを微かに凝らせた。「そなた、昨夜、あの内通者が黎明の前、曾て帳外に潜みて窺いしと言ったな?」




