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死ぬことで分かること


 「ああ、夢ですか。」


 朝になると、私は目を覚ます。もう心臓は動いていないはずなのに。


 癖というのは恐ろしいですね。


 誰も来ない礼拝堂を掃き、


 私の()()で枯れてしまった草木にも水をやります。

 この癖は死んでも治りませんでしたね。



 椅子は九つ。

 あの日のまま並べてあります。


 外は静かですね。


 外には人は勿論、鳥も、虫も、いない。

 だとしても

「おはようございます。」


 しかし、返事はない。

 だが、不思議と寂しくはないですね。


 今日も、この村を周回ですか。この体は疲れないのですが、動きたくないと言う思いが少しありますが、これは惰性故なのでしょうか。


 私が何故周回していると。

 それは、村の治安維持のためです。

 此処が、魔領になったとしても魔族どもには此処を使わせるつもりは有りません。


 幸い、アンデットと成ったこの身体は何故か黒いですが、司祭であったときの力を使えます。それで村の防衛をしてえいるのです。毎日、少しずつ鍛えても居て、昔死ぬような状況でも平気に対処できるようになりました。


 そんな事を考えているうちに、物色に来た魔族どもが出てきました。

 何故かは、知らないのですが此処最近目にするのは黒い靄のかかった人形の魔族です。彼らは、人間のように情緒が有り、会話もできます。しかし、だからといって無断で村に入って物色するのを許すわけがないのですが。

 「ホーリーソード」

 私が唱えることで最後に3つの黒剣が召喚され侵入した一人を串刺しにする。その瞬間、魔族の生気が吸い取られるように干からびていき、死に至る。


 本来、聖魔法にはこの様な、力はない。しかし、アンデットによる転化により、彼本来の奇跡を起こす製魔法が変質し、与える魔法ではなく、奪う魔法に変質した。それにより、無尽蔵に生命を吸い取る力を手に入れた。


 それに怯えてか二人が私に警戒する。しかし、驚愕しているようにも見える。しかし、彼らは依然と黒いモヤで包まれているため良くわからない。


 「貴方がどうして、司祭さん!」

 聞き取りづらい発音ですが、何処か懐かしいような声ですね。まあ、気の所為でしょうけど。


 「早く逃げてください」


 「_______」

 一人は、すぐに離脱しもう一人は、私の前でなにか言ってますね。

 彼らなりの祈りでしょうか?

 

 それなら、こちらも相応の対応をしなけばいけませんね。正直言って、逃げたあの方は生かしてもいいでしょう。最近、些か魔族の侵入が多すぎます。すこし、生き残りを残して恐怖を与えたほうが来る量も減るでしょう。

 「では、またせましたね。」

 ニコリと魔族に私は顔を向けて、彼の頭に手をかざした。私は、其の瞬間首に十字架を掛けているのを見て驚きました。彼は、その十字架を必死に握っていました。


 「同じ宗派でしたか。不思議ですね魔族は人間の作り出した宗教は特に忌み嫌うはずなんですけどね。まあ、特異種なのですかね。『ヒール』」

 魔族の握る力はどんどん弱くなって、皮、血、肉、のあらゆる物が朽ち始めました。周辺にあった草木は命が吸われたように干からびてい枯れていき、最終的に砂となりました。


 それを見届けた私は空を見上げて、


 「待ちますか、あと何年、村の人達が帰ってくるまで此処は私が守りましょう。」

 まだ、10年、まだ10年です。いつまでも待ちましょう人間がこの地に戻るまで。それまで、ここ、我が娘…いや、聖女エルシア様の故郷を守りましょう。それまで、此処の平穏、静けさを守りましょう。











====四日前王都=======================================


 「勇者御一行が魔王を打ち破った!!」

 王都中には歓声の声とそれを祝う花火が打ち上げられる。


 何処もかしこのお祭り騒ぎで今年の税金が無料と来て皆大喜び。視界の端から端まで飲んだくればかりがいる。やはり、皆嬉しいのだ。毎日恐怖で震えていて、総動員令まで発動されたあの時代はなくなるのだ。


 しかし、そんな中で浮かない顔をする優麗な人物がいた。

 「聖女さんよ。どうしてそんな浮かない顔をしているのかな?」

 

 同じ勇者パーティーの一人、ヨルナ・ティフォン、役割では魔道士をして助けている彼女が聖女に話しかける。

 ヨルナの声に、聖女は少しだけ視線を上げた。花火の光が瞳に映る。

 だが、喜びの色はない。

 

 「これで、償いはできたでしょうか。」


 「貴方、まだそれを言ってるの」

 少しヨルナは呆れる。

 魔王討伐は歴史的快挙である。それが、達成できたのにこの子は、まだ、死んでしまった恩師のことを引きずってるなんて…


 正直に言うと気が付いていた。彼女、聖女は、司祭に恋心をいだいていたのを。初めは、尊敬と憧れだったのが、思春期を通り過ぎ恋心として咲いてしまったのだろう。実際、年齢は8歳しか離れてない。結婚できない年齢差ではない。しかし、彼は死んでいるのだ。3万もの魔王軍を相手にして死んでいる。


 「もう、10年もするんだよ。もう、司祭さんのためにも忘れなよ。霊は、ずっと執着されると天国にいけなくなってしまうって言うし」


 「ですが嗚呼」


 聖女が、顔を曇らせながら下を向く。

 それを見て


 「ったく、仕方ないね。エルシア、まつりが終わったら、あんたの故郷、取り返しに行こう。うちの人や仲間たちに聞けば手伝ってくれると思うから。そもそも、この後一人で取り戻しに行こうって思ってたでしょ。」


 「何でわかったんです。」

 少しギックリしながらヨルナを見る。


 「友達だからよ。」


 「っ__ありがとう」

 涙を流しながらエルシアはヨルナの優しさに包まれる。

 「よしよし」


 暫くすると


 「お、なにかするのか?」


 「何をするんだい?」

 なにか面白そうな話を聞きつけてタンク役、ヴィント、勇者ユングが興味を示す。彼らは幼馴染で昔からずっと一緒にいる。彼らは肩を組みながらヨルナに聞く。


 「エルシアの故郷を取り返すのよ。」


 「「賛成!!」」


 この日、勇者一行は新しい目標を作り、先に斥候として冒険者を勇者一行が近くに来るまでの間、派遣した。



 3日後、勇者一行が派遣した斥候の冒険者は一人しか戻らなかった。

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― 新着の感想 ―
認識も反転していそうですねこれ…
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