第43話:アシュレイ・ロレイン・レイフィールド
ザックとレイを眺めていてふと気が付いたが、ルネスさんの魔法はコントロールが素晴らしい。
「光っていたのに痺れただけ?いや、痛かっただけ?どこかが焦げてるわけでもない。床を転がる元気はあって…。ルネスさん、手加減が上手ですね。何気に無詠唱だったし。」
「あら、褒められると嬉しいわね。でも慣れよ、慣れ。殴ったりするのは野蛮だし、手が痛くなっちゃうでしょう。この人たち、実力だけはあるからすぐ逃げられちゃうし。この魔法の速さなら確実っていうだけよ。」
「母さん、電光だけは無詠唱なんだよ。子どもの頃は拳骨より怖かったな…。」
…野蛮とは。やはりルネスさんを怒らせてはいけないようだ。そしてルネスさんの電光をここまでの技に仕上げるほど使わせたザックたちは学習能力がないのだろうか。
「レイは名前長いけど、貴族なの?敬語の方が良い?」
「…貴族だけど敬語はいらないわ。フフッ、久しぶりの電光、効いたわ…。今度こそくらわないつもりだったのにダメね。まだまだ修行が必要だわ。早速だけどルーク、私をあなたたちのホームに連れて行きなさい。治癒魔法陣の書き換えなんていう偉業を成し遂げた若者に話を聞かなくちゃ。」
「おい親父。」
ルークに睨まれてサッと目をそらしたザック。つくづく残念な奴だ。出会った頃の頼もしさはどこへいったんだろう。ザックの威厳はあの時がピークだった気がしてならない。
「ライゴウ様が動いた時点でレイからすぐに連絡がきたんだ。」
「だってライゴウ様は実家と爵位がほぼ同じだから圧力かけらんないし、ヌフとは良い関係でいたいし。ガルドはギルドで頑張ってるんだから、余計な仕事を増やしちゃかわいそうじゃない。立場的にもザックはライゴウ様とガルドと同等の情報を持ってる可能性は高いんだから、詰めるとしたらザック一択よ。あ、安心してね。ここには一応、ヌフで開発された治癒魔法を習得するための出張という体で許可をとってきているわ。」
なるほど。これは下手に逃げようとしない方が良いと見た。
「初めまして、レイさん。ルークのパーティメンバーのアラタと言います。同じくパーティメンバーのフォンゾに魔法を教えてもらったご縁で一緒に冒険させてもらっています。こちらは同じくパーティメンバーのディヒトです。」
「草原の民、ディヒトだ。よろしく。」
「あらまあもしかしてロースのとこのちびっ子?すっかり大きくなっちゃって。身体強化は使えてるかしら?うふふ、あなたがここにいるということはヌフにいる間草原の民の身体強化も研究できるわね?良いわよね?それならいっそパーティのホームに滞在させてもらおうかしら?そうねそれがいいわそうしましょう。そうと決まぐはばっ!」
再びルネスの雷が落ちた。
「レイ、落ち着いて。身体強化はディヒト君が良いって言ったらよ。ディヒト君、良いかどうかはよく考えてから返事をするようにね。仕事で来ているのなら、一人じゃないでしょう。まずどうやってうちに入り込んだのか教えて頂戴。」
どうやらレイはルネスさんにバレずに家に入るために転移魔法を使ったらしい。転移魔法があるなら俺も使ってみたいものだが、対になる魔法陣のあるところへ行けるものだそうなので、自由自在に行ったり来たりできるものではないそうだ。まあ、簡単にホイホイ侵入できたら泥棒し放題である。ロマンという点では残念だが、治安という点においては良かったといえる。
転移魔法は基本、術者の視界の範囲内で移動するもの、というのが常識だそうだ。魔力をかなり使うため、見える範囲という短い距離を移動するためにわざわざ転移魔法を習得しようとするのはかなりの物好きと見られるらしい。視認できない場所に移動するために転移魔法を使う場合は今回レイがやったように魔法陣を使う。
レイは魔法陣研究の第一人者だそうで、転移魔法の魔法陣も自分で書いたものを使ったそうだ。せっかくだし、ちょっと教えてもらえたりしないだろうか。楽しみだ。
少しでも「面白い」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、下↓にある【☆☆☆☆☆】をタップして
【★☆☆☆☆】にしてくださると嬉しいです。なお、
【★★★★★】にしてくださるととても嬉しいです。
応援してくださる方、本当にありがとうございます。
読んでくれている誰かがいるってわかるのは、結構テンション上がります。
ではまた来週土曜日に。




