第35話:お前が言うな
キリの良いところで切ったら1000字いかなかったので、夜にもう一話投稿します。
「とりあえず、ここまでで見つかったのはこれだな。」
そう言ってルークがB5くらいの大きさの板を3枚、テーブルに並べた。ギルドに報告を上げる時に写しておいた、謎の文章だ。紙はまだ高価なこの世界で重要な文書は羊皮紙に記録され、一般人は紙の代わりに木片を使っている。識字率も低いから、まあこんなもんなんだろう。
最初に見つかったのは十階層で「悪は善、善は悪。理を正せ。地竜に気をつけろ。強き者を最上階で待つ。」という文章。ボスはオーガで、地面は数字の4だった。
次は二十五階層で「岩は固く、天は遠い。風が運ぶ便りを見落とすな。」だった。ボスは三メートルくらいあるコカトリスで、地面の数字は3。
そんで3枚目は四十五階層。「晴れた夕方、白い雪、胸まである草原は皆悪いものである。血を惜しむより涙を惜しめ。」で、ボスはミノタウロスだった。地面の数字は2。
ディヒトによると、すべての文章に草原の民の間に伝わる金言、まあことわざだな。それが入っているとのことだ。
『悪は善、善は悪』というのは一つの出来事であっても立場によって善悪の判断が異なるということ。
『岩は固く、天は遠い』というのはなす術がない状況の事。
『晴れた夕方、白い雪、胸まである草原は皆悪いもの』というのは穏やかに見えるものに危険が潜んでいることがあることで、『血を惜しむより涙を惜しめ。』自分が苦しいことを経験する結果になるとしても、他人に涙を流させる結末を選んではならない、ということらしい。
それにしても白塔の謎文章…。ダンジョン発生当時の状況を知っている俺としてはなんかこう…。
「なんかあれだな、うちの一族の影響を感じる文章だな。」
ディヒトォォォォ!お前が言うなぁぁぁぁ!
本日1話目です。多分21時までにもう1話投稿します。
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