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魔法使いになった俺、ちょっと実家に帰りたい  作者: ぼっち飯


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27/32

第27話:ただいま。

「——と、いうわけで先日発見された古代語の文章の意味はこちらでございます。」


ねえ皆ちょっと空気重くない?え…これもしかして俺『銀翼』に入れてもらえないパターン…?


「この『悪は善、善は悪』というのは草原の民の金言のひとつでな、一つの出来事であっても立場によって善悪の判断が異なるということなんだ。」


***


はい、やってきました『銀翼』ホーム。洗いざらい話して、スマホ画面の古代語ディアスタ訳を見せたら、普段賑やかな『銀翼』が静まり返った。気まずさに目を泳がせていると、スッと小さく手を挙げて、ルークが口を開く。


「えーっと、俺の耳に間違いがないか確認しよう。瘴気災害が起こったことで、違う世界にいたアラタはこの世界にやってきた。精霊ディアスタから直接加護を得ている上、手紙をやり取りできる道具が与えられている。ちなみに白塔は瘴気災害のせいで発生したもの。」


「そうです。さすがルーク、理解が早い。」


「で、俺とアラタを『銀翼』にいれるのか?やめておくか?」


「ディヒト、その言い方だとなんか上から目線っぽいぞ。入ってやるんじゃなくて入れてもらうんだよ俺達は。」


「えー…っと。訳アリだと思っていたが、想定よりやばかったな。二人の加入について意見のあるやつは手を挙げろ。」


ルークが言うと三人が挙手。え、俺、何言われるの?


「よし、エデル、オスカー、フォンゾの順だ。」


「俺は加入の条件に二人とも一年以内の銀級へのランクアップを追加する。」


「俺はもエデルと一緒だな。最低限銀級にはなってもらわないと、銅のままじゃ自分で自分の身を守れない可能性があるからね。」


「はあ…。どっちかっていうと保護だよこれは。聞いちゃったからには仕方ない。俺達だけの秘密にしておいた方が良さそうだけど、ルークはどう思う?」


良かった。面倒そうだからってポイされる可能性ばかり考えていたから、拒絶されないことに少しホッとする。


「そうだな…。俺も加入自体は歓迎だ。ということで二人ともよろしく。なに、面倒ごとの気配は最初からしていたからな。それも含めて楽しもう。それが俺達『銀翼』だ。」


「ああ、よろしく頼む。」


「良かった~。よろしくお願いします~。」


皆の面倒見の良さに感謝だ。この場の誰よりも年上な俺だが、見た目が年下なことにも感謝した。世話を焼いてもらうおっさんなんて、絵面がヒド過ぎる。


***


とりあえずの方針を決めることになった。皆から見て俺はとっても迂闊なので、しばらくは絶対外で一人にならない事。ディヒトはしばらくオスカーについて斥候のスキルを学ぶことになった。むいていたらそのままパーティで斥候を担う。今まではオスカーかルークがやっていたが、そろそろ専門の人を入れたいと言っていたそうだ。


おれはポーター及び料理番。料理番、といっても皆よりちょっとだけ当番が多いだけで、食材の管理がメインの仕事になる。ポーターというのは基本は隠しておく。フォンゾが弟子として鍛えている魔法使い見習いということでギルドで周知する。


俺もディヒトも荷物は少なかったから、宿からの引っ越しは簡単だった。相部屋も楽しそうだと思ったのに結局四人部屋をずっとディヒトと二人で使うという、なんとも贅沢な過ごし方をしてしまった。『銀翼』の家は小さな厩舎がついているから、ヴィントも一緒でディヒトは嬉しそうだ。


なんでも、没落した貴族の別宅だったところを購入したとかで、俺たちが来てもまだ部屋が余っていた。つい最近購入したらしい。パーティの貯金のほとんどを突っ込んで購入したせいで、今は貧乏パーティなんだよな、と笑っていたのは財布のヒモを握るフォンゾ。ルーク以外の三人は、自分の家を持つことが夢のひとつだったそうだ。そのうち皆の話も聞いてみたい。


ホームの空き部屋をディヒトとひとつづつ割り当ててもらって、まだ荷物は少なくて殺風景だけど、これからここは紛れもない俺の部屋。キッチンを見せてもらって、食材の買い出しに着いて行く。なにをどれだけ、値段はいくらで、旬の食材の並ぶ市場の活気を浴びながら、何を作れるか考える。朝まで持っていた不安な気持ちが嘘みたいだ。認めよう、俺はチョロい。


どうでもいい話をしながら戻ってきて、ドアを開けると、


「あ、買い出し班。お帰りー。」


ああ、帰る場所があるっていいな。

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【★★★★★】にしてくださるととても嬉しいです。


応援してくださる方、本当にありがとうございます。

読んでくれている誰かがいるってわかるのは、結構テンション上がります。


ではまた来週土曜日に。

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