第26話:どなたかこの文字を読める方~をやったら思いの外近くにいた。
素人が作ってみた謎解きゲームみたいなヒントの出され方をした割に、読めないせいでわからない。
文字を見て古代語だろう、ということは分かっても読めるかどうかは別問題だ。そして悲しいかなこの町には図書館がない。他の町もあるかどうか怪しいが。古代語なんて研究しているのは王家お抱えの研究者くらいではなかろうかと思うのだけれど、辞書もない中で文字の羅列を一体どうやって読んだら良いのか、サッパリ見当もつかない。
ということでサッサと権力に頼ることにした。新ダンジョンは見た目のまんま「白塔」と名付けられヌフの管理下に置かれることになったのだから、領主様に相談だ!ルークを通してザックを通してライゴウ様に報告を入れたらしい。変に情報が出回って面倒事が起きないようにという配慮なんだろうか。んで、ライゴウ様にもすぐには分からないと言われてしまった。
ちなみに10階層のボス部屋をループしてた件に関しては『銀翼』が新米の俺に経験を積ませていたということで皆勝手に納得していたらしい。ダンジョンから帰ってから、周りの人たちが俺のことを「フォンゾの弟子」と呼んでいる。まあ、実際そうだから別にいいけど。
もしかしたら他にも何か見つかるかも、と言ったフォンゾとルークは更に上を目指して攻略を進めるために、他のパーティと情報交換をしに行った。ディヒトは戦力として申し分ないことが証明され、俺は魔法の腕はぐんぐん上がって制御がうまくなったので、無事二人とも銅級に昇格済だ。もちろん二人とも昇級前に自分の名前だけは練習して、まあまあ見られる程度のタグを手に入れた。
とにもかくにも『銀翼』のおかげで冒険者としてある程度稼げるようになった。生活の目途が立ったところで、ありがたいお話をいただいた俺達は一旦持ち帰って宿で相談中だ。といっても二人とも話を受ける気満々なんだけど。
「俺は良い話だと思う。『銀翼』は信頼できる。」
「うん。俺も。まだ2ヶ月くらいしか過ごしてないけど、一緒にいて楽しいし。」
「では決まりだな。万が一アラタの事を正直に話して態度が変わるようなら、一緒に逃げてやるから心配するな。」
「うわ~ディヒト、お前って本当に良い奴~!お前も出会って二ヶ月くらいなんだけども~。」
なんと『銀翼』はパーティメンバーとして俺とディヒトを誘ってくれた。嫌になったら抜ければいいと言ってくれたから気が楽ではあるけど、ダンジョンを攻略するのは俺とディヒトだけでは無理ゲー過ぎるから願ったり叶ったりだ。そして攻略するにあたってどうしても俺の秘密を話さなければいけない事情ができてしまった。それがコレである。
「白塔の文字を解くのにディアスタ様が知恵をお貸しくださるとは…。すっかり忘れていたがそういえばお前、使徒様だったな…。」
「うん、まさか俺も返事が返ってくると思わなくてさ。ディアスタ、古代語フツーに読めたな。」
何の気なしに、メッセージアプリからディアスタに「今ダンジョン攻略中」「これわかる?」と写真付きメッセージを送ってみたら2日くらいして解読されたメッセージが送られてきた。
「悪は善、善は悪。理を正せ。地竜に気をつけろ。強き者を最上階で待つ。」
メッセージの解読をどうやったかについて良い言い訳が思いつかない以上、『銀翼』を巻き込んでしまおうという結論に至った。なぜかは分からないが、きっと大丈夫な気がする。スマホしか持たずに来てしまった異世界だけど、暮らしているうちにどんどん図太く…いや、お気楽になっている気がする。
まあ、悪い変化じゃないよね。多分。
少しでも「面白い」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、下↓にある【☆☆☆☆☆】をタップして
【★☆☆☆☆】にしてくださると嬉しいです。なお、
【★★★★★】にしてくださるととても嬉しいです。
応援してくださる方、本当にありがとうございます。
読んでくれている誰かがいるってわかるのは、結構テンション上がります。
ではまた来週土曜日に。




