戦前
青々とした草原。
そこには、向き合うだけで逃げ出したくなるようなありえないほどの魔物が群を為し、僕たちを飲み込もうと迫っていた。
「それで、どうするんですか?ヨツハ。何か、策があると言っていましたが……?」
僕がそう聞くと、ヨツハは一つ頷いて答えた。
「うん。超広範囲に対して殲滅できるような魔法を撃とうと思って。今の魔力残量と、『創造』の力ならそれができるから!」
ヨツハは、目の前に迫りくる魔物を見ながら、意気揚々と答えた。
「……ヨツハは、怖くないんですか?」
「うん?」
「下手をしたら、命を失うような魔物の軍勢。僕は、正直言って怖いです」
僕は、少しばかり震える足を抑えながらヨツハに聞いた。
しかし、そんな僕に対して、ヨツハは笑って答えた。
「でも、どうせここで逃げたって、どうしようもないじゃん??」
「え……?」
「ここで逃げちゃったら、お世話になったルースさんや、ハイントさんや、大切な皆が危険な目に遭っちゃう。それよりかは、私たちが危険な目に遭った方が良くない?」
……一瞬、ヨツハの目から光が消えた気がした。
僕は目をこすってもう一回確認するが、その時にはもう普通の目をしていた。
「……それじゃダメですよ。ヨツハには無事でいてもらわなきゃいけません。僕にとっての大切な人はヨツハなんですからね?」
「……そうなんだ……」
ヨツハはスンっとキツネにつままれたような顔になる。
そして、すぐに笑顔になった。
「分かった!そうだよね。無事に帰らなきゃね!」
そう言うと、ヨツハは両手を目の前に掲げた。
「今から、大多数の魔物を仕留めるための魔法を撃とうと思うんだけど、王都を守ってくれる?ほら、この前作ったやつがあったじゃん。あれの最大出力なら、多分守り切れると思う」
「……わかりました、やってみます!」
僕は、仲間たちと研究を重ねた魔法を準備し始める。
ヨツハもすぐに準備を始めた。
勿論何度も検証を重ね、導き出した魔法。
「ヨツハ、準備できました!よろしくお願いします!」
「OK!私も!もう使っていいよ!『ミーティア』!」
僕が魔法を発動し、王都を完全なバリアで包んだ後、ヨツハが魔法を唱える。
しかし、目の前の魔物の軍勢には、何も起こらない。
「よ、ヨツハ?」
「来るよ!こっち!」
「えっ!?」
ヨツハが僕の手を掴んでグイっと引っ張った。
僕は、されるがまま、ヨツハの傍に寄る。
「な、何ですかってわぁっ!?」
その瞬間、僕は空から落ちてくるいくつかの物体に気づいた。
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