囁き
ルースは自嘲して話しだした。
「……確かにそうだな……。リックは、俺より魔力が多くて、そして頭もいい。それは純然たる事実だし、俺はそんなリックがうらやましいとも思う」
ルースがそう言うと、アクマは口角を上げた。
『そうだ、そのママオチロ!』
「だがな!」
『!?』
「弟の成長を喜ばん兄がどこにいると思う?」
『ナニ?』
ルースは黒いあざに体を蝕まれながら叫ぶ。
「俺の弟はどこに出しても恥ずかしくない人物に成長したんだ。あいつ自身の力でな。兄として、俺はリックが誇らしい!」
「ルースお兄様……」
「ルース様……」
「リックに負けているだと?じゃあ、負けないように頑張ればいい。
だから、お前の言葉なんて……!」
『チッ。使えないヤツダ。じゃあ、サッサとトドメヲ……!?』
その瞬間、アクマは自分の右手が動かせないことに気づいた。
慌てて見ると、氷でできた紐が腕にまとわりついている。
『クッ!ナンだ、コレハ!?』
アクマが唸ると、ルースはカラッと笑った。
「聞く訳がないだろう!?」
ルースはそのまま拳をぐっと握った。
すると、アクマの腕に纏わりついていた紐を起点として、アクマの腕が一気に凍る。
『グギャァアァァア!?』
アクマの腕は血液まで凍って腕に突き刺さる。
アクマはその痛みに絶叫し、逃げていった。
「どうだ、少しは、効いた、だろ……」
そう言ってルースは意識を失う。
その全身には、黒いあざが蔓延し、一刻の猶予を争う容態にまでなっていた。
あまりの状況に、何も手出しができなかった二人は、倒れ込むルースを見て、慌ててルースの元に駆け寄ったのだった。
『クソ!アイツメ!絶対に許さないゾ!』
そう言いながら、ヒョロヒョロと力なく飛んでいくアクマ。
『こうなれば、第二のプランを実行スルしかアルマイ!』
だが、その瞳には怪しい光がともり、ニタリとした笑みを浮かべていた。
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