襲撃
今回はルース視点です。
ルースは、ふと悪寒を感じて作業を中止した。
なにか、とてつもなく嫌な予感がしたのだ。
そのまま、一歩、二歩と書斎の机から離れていく。
瞬間、轟音と共に、書斎の壁が吹き飛んだ。
ルースは一瞬驚いたが、すぐに戦闘の準備を始める。
すると、すぐに壁を壊した犯人は現れた。
『なんダァ!?お前がターゲットカァ!?』
そこには、醜悪な容貌のナニカ、がいた。
ルースは、困惑しながらも質問を行う。
「君は誰だい?いったいなんでこんなことを?」
そう言うとナニカ、は真っ暗な球をこちらに撃ち出してくる。
多分当たるとまずいと言うことを察し、全力で回避に努める。
『チッ!さっさとアタレ!』
しかし、無尽蔵に撃ち出す黒球をすべて対処することはできず、一発被弾してしまった。
被弾した球はルースの体を包み込む。
『ヘッ。ヨウヤク当たったカ!』
「ルースお兄様、今の音は一体!」
「ルース様、大丈夫ですか!?」
そう言って部屋に飛び込んできたのは、ミケアと家の管理を任されていた執事長だった。
二人は、黒いあざに浸食されているルースと、恐ろしい形相をしたナニカを見て、絶句する。
そして、ようやく球が命中したナニカは高笑いをした。
『ハッハッハ!これでオ前はオワリダ!コノママリックとか言うガキもイっしょにやっちまおう!』
そこまでくると、ルースはハッとして目の前にいるナニカに向かって叫ぶ。
「さては、親父の差し金か!?」
ナニカはルースがもうこれ以上の抵抗ができないと思ったのか、べらべらとしゃべる。
『ハッ!そうだとモ。俺ハラインスト公爵と契約したアクマ!代々公爵はコノ魔法を継承するノダ!』
そう言って高らかに笑うアクマ。
『ソノ球は己の他者への負の感情をエネルギーにして操る魔法。せいぜいリックというガキと潰しあうがいい!』
「そんなこと、するわけがないだろう!!」
黒いあざに包まれながら、ルースはそう叫ぶ。
アクマはそんなルースを見て、鼻で笑って近づく。
『ハッ!お前、知ってるゾ?弟に魔力量で負け、一年生にして術技祭で準優勝。オマエはその時賞も取れなかったのにナ。今回だって、婚約者がいなければ負けていたのダロウ?』
アクマは、ルースの耳元でささやくように言った。
『——羨ましいダロウ?——恨めしいダロウ?我慢スルナ。己が思いのままに弟をツブセ』
「……それは……」
ルースはかみしめるような声を出した。
それを近くで聞いてしまっていた二人も黙りこくってしまう。
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