それからの事
「そういえば、家の事はどうするの?」
僕は思い出したように、ヨツハに聞いた。
「あぁ。家は、もしOKだったら、こっちに引き続き居候させてもらいたいなって。
折角付き合った直後なのに、離れて住むのもちょっと、あれじゃない?」
ヨツハはそう言ってちょいと首を傾けた。
「新しく借りた家は元々仕事場にもする予定だったから、できるならここから通うことにするけど……」
「あぁ、もちろんOKだよ。リックの恋人なんだ。問題なしだよ」
そう言ってルース兄様は親指を上に向けて拳を握った。
「やったぁ!ありがとうございます、ルースさん!」
「もう、『義兄さん』とかでもいいんだよ?」
「ルース兄様!!」
僕は、どこかからかう様子のルース兄様を全力で止めた。
「1割冗談」
ルース兄様は、笑いながらそう言った。
9割本気だった……。
「それで、今からどうするの?」
「とりあえず、荷物は置いて、仕事場に行こうかなって。貴族向けの菓子売りって続けて大丈夫ですよね?」
「あぁ。問題ないさ」
「じゃあ、とりあえず仕事場で始める準備を整えて、今日は戻ってきます」
そう言って、ヨツハは元の自分の部屋に戻ろうとした。
しかし、何かを思い出したかのように振り替えって言う。
「あ、リック君。私の事、呼び捨てで呼ぼうとしたでしょ?いいよ!私もリック君の事、これからリックって呼ぶから」
そう言って、立ち去っていく、ヨツハに僕は顔を隠してしまった。
——気づかれてないと思ってたのに……。
ルース兄様は、僕の肩をポンと叩く。
「……あれだな、ご愁傷様」
そして、ヨツハは無事に色々な支度を終えて、お菓子屋さんを始めた。
お得意様には、研究所の面々が多いらしい。
かくいう僕も、試食係として、いろんなお菓子を食べさせてもらっている。
非常に役得だ。
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