終了後
「やったな、リック、テト、ルヴェ!」
「やりました!!」
そう言って跳んで喜んでいるのは、ワンド君とテトさんである。
「おめでとう、四人とも」
そう言って、トキシックさんもお祝いしてくれている。
「最優秀賞は取れなかったけど、一年生にしては十分な成績だと思う。ワンド君とテトさんは、衛士系統の職に就くのが夢なんだって?いい実績だと思うよ」
そう言ってトキシックさんは笑った。
「まぁ、最優秀賞は狙いたかったけど、あれはあれですごかったね……」
最優秀賞の発表は、なんとルース兄様とミュリエルさんの発表だった。
その研究内容は、なんと、「少ない魔力で広範囲の魔物を攪乱する」というもの。
研究内容としては、電気の魔法を基盤とした超広範囲への麻痺魔法という物。
ラインスト公爵家の人物が電気魔法を使うということで、「まさか秘伝の!?」と注目を集めたそうだ。
ちなみに、ルース兄様曰く、「一切無関係」だそう。
それに、広範囲で魔物を攪乱できるのなら、魔物の大量発生における被害数を減らせるし、魔法の命中率の向上から、魔力の節約にもつながる。
さらに消費魔力量は、王都一帯を範囲にしても、初級の魔法となんら消費が変わらないという仕様。
その利便性と、省コスト性から、最優秀賞に選ばれたらしい。
僕たちも、似たような目的で魔法を作ったが、ルース兄様たちは、見方が違った。
ルース兄様は、
「ミュリがやってみたいって言ってたやつを、今年初めてやってみただけだ。俺は魔力も多いし、ミュリも研究者だから、まぁ、相性が良かったってだけだな」
とからから笑っていた。
トキシックさんも、「あの子たちには驚かされます……」と言った。
——そして、その翌日。
いよいよヨツハが家を出ていく日になった。
「今まで、ありがとうございました!」
そう言って頭を下げるヨツハ。
ルース兄様は、
「まぁ、可愛い弟の頼みだったからな。それより、本当に大丈夫か?」
と真剣にヨツハを見る。
ヨツハはその視線に答えるように返事をした。
「はい!大丈夫です!」
「まぁ、俺の方でも調べてみたんだが、ニホン、という国の情報は無かったからな……すまない」
「き、気にしないでください!」
ルース兄様は頭を下げ、ヨツハはそれをやめるように言う。
「ヨツハさん、頑張ってください!」
「ミケアさん。頑張ります!」
それから、ヨツハは懐から何かを取り出す。
「あ、これお礼です。と言っても大したものじゃないんですが……」
そう言って取り出したのは、先日作った光を出す魔道具みたいなものだった。
「これは?」
「リック君と協力して作った、『ペーパーサーチャー』です」
「ペーパーサーチャー?」
ルース兄様は首を傾げる。
僕はそんなルース兄様に向かって説明する。
「ほら、この前ルース兄様、大量の書類の前で作業していたじゃないですか。
それが少しでも楽になればいいなと思いまして……」
「これは、書類にかざすと、色々な処理ができる機械です。たとえば、必要かそうじゃないかをより分けたり、収支をまとめたり。重要じゃない書類とかに使えば、作業が楽になると思うんです」
ルース兄様は渡された魔道具をじっと見つめている。
「……とりあえず、今度使ってみるよ。ありがとう、二人とも」
「いえ、そんな!」
そう言ってヨツハは謙遜すると、
「それじゃあ、私、行きますね」
といい、荷物を持って扉を開けて行ってしまった。
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