壁
本日作者誕生日により、三話一挙投稿を行います!!!
それから。
僕らは時間のある限り、防御の魔法についての研究を進めた。
しかし、恐る恐ると進めていくのは意外にも大変だった。
防御するために必要な要素を固めていくと、どうしても必要な魔力量は増大していく。
テトさんが、「やったぁ!できた!」と言ってトキシックさんに見せた魔法はトキシックさんの見立てでは、「多分10万の魔力があっても足りない」と言われていたし、ワンド君が意気揚々と持って行った魔法は「300万で使える」なんて言われてた。
トキシックさん曰く、魔法は「消費が1未満になるのが理想。最高は100回使っても1減らない魔法」と言っていた。
僕も色々と試行錯誤してみたが、どうしてもうまくいかなかった。
その日は結局いい魔法が思いつかず、皆肩を落として家に帰った。
それから一週間。
長時間の熟考の結果、どうにか魔力を100程度にまで抑えられた。
まぁ、それでも『正面からの攻撃』に、『1分間のみ』防御できる魔法だったが。
トキシックさんは「中々上出来じゃない」と言っていた。
……まぁ、この魔法がもう存在していることを除けば。
だから、防御の魔法は研究する人がほとんどいないらしい。
防御に魔力を回すより、攻撃に回して敵を殲滅した方が、早期討伐により、より被害を少なくできるから。
僕たちも、これ以上良い魔法は思いつかず、術技祭はこの魔法を発表することにしようか、ということで、話がまとまり始めている。
皆少し残念そうだった。
とぼとぼと家に帰ると、ヨツハが変な板を抱えていた。
僕は不思議に思ってヨツハに聞く。
「ヨツハさん、何ですかそれ?」
ヨツハは、自分の手に持ってるものを見ると、僕に見えやすいように持ち上げた。
「これ?PC!」
「ぴーしー?」
聞きなれない音の響きに僕は聞き返した。
「そう、PC.まぁ、ネットは使えないから、いくつかソフトは入れてある状態の奴だけど!」
「……よく分からないですが、それは一体何に使う物なんですか?」
僕がそう聞くとヨツハは顔に手を当て、「う~ん」と唸る。
「……ん~人間のやることを効率化する物?」
「……役に立つんですか?」
「多分。まぁ、せっかく作れるんだから作っちゃえ、ということで。それに、会計の計算とかを表計算ソフトに任せられるし」
この前のけーたいですら、部屋に置いたままあまり使ってないのに(使い方がよくわかってない)、また変な物を作っている。
「そういえば、お仕事ってどうなったんですか?」
僕がそう聞くと、ヨツハは少し笑った。
「今、拠点を作ってるところ。拠点ができ次第、リック君を通してお客さんを呼び込む予定」
「拠点って、ここを出ていくつもりなんですか?」
「まぁ、そうなるかな……?」
ヨツハは少し寂しそうに言う。
「でも、もう少し準備に時間がかかるから、多分その術技祭?ってやつが終わるまではここにいると思う」
「そう、ですか……」
それを聞いて、僕は思っていたよりも強いショックを受けていた。
これは、なんでなんだろう?
「まぁ、リック君との縁は切れなさそうだけどね。主に魔力関連で」
「……あぁ!はい、そうですね……」
「……?」
ヨツハが不思議そうな顔で僕の方を見てくる。
これは良くないと思った僕は話を変えることにした。
「あ!そういえば、術技祭の事なんですけど……」
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
もしよろしければ、下の☆で評価をしていただけると嬉しいです!
ブックマーク・コメント等も大歓迎です!
あなたの読書人生に良い本との出会いがありますように!




