強力な協力者
その翌日。放課後。
僕たちは、ハイント様と約束した空き教室にて、トキシックさんが来るのを待っていた。
「それにしても、リックがこの学校のOGと知り合いだったなんてな!」
そう言ってワンド君は僕の背中をドンと叩く。
「いや、偶然だよ……」
「それでも、研究者の人なんだろう?現役の人が手伝うのを許諾したのはありがたい」
ルヴェさんはうんうんと頷いている。
「本当にありがとうございます、リックさん!」
テトさんはお礼を言った。
僕がしどろもどろになっていると、教室の扉が開く。
「では、失礼します~って、もう皆さん来ていたんですね!」
そこには、白衣に身を包んだトキシックさんがいた。
「では、自己紹介を。——ベルノ・トキシックです。今日は、リック君にお願いされて、皆さんを手伝いに来ました。よろしくお願いします」
そう言って、トキシックさんが頭を下げると、皆、ポカンとした顔をした。
「え、もしかして、あの、トキシック伯爵家の!?」
そう言って、ワンド君は一歩引こうとする。
「あ、いいよ。身分差とかは気にしないで。教えづらいから」
「は、はい……」
そう言われると、ワンド君もかしこまることができず、ただどうすればいいのか、と言った様子で立ち尽くしていた。
他二人も緊張しているみたいだ。
「まぁ、気楽にいこうね?よろしくね」
トキシックさんは笑顔でそう言った。
それから、トキシックさんの指導の下、術技祭に向けて、研究を進めていった。
トキシックさん曰く、こういった研究は学生が主に行うことが多いらしく、表層的な部分しか研究できていないそう。
「だから、私はそう言った研究のやり方について教えるわ。後は、どんな魔法が使いたいのか、イメージを膨らませつつ、呪文をくみ上げていくの。ただ、ここだけは注意」
そう言ってトキシックさんは、ピシッと指を立てた。
「それは、魔法の消費魔力量。これは、経験則とか、そう言ったものでしかその大きさを推測できないからとても危険なの。だから、研究者は非常に慎重に研究を進める。魔力が無くなってしまえば、生活するのも難しくなっちゃうから」
トキシックさんはちらりと僕の方を見た。
「どんな効果が、どれくらいの魔力を使うかを慎重に予想し、研究する。それが、まぁ、魔法研究の基本ともいえるわね。……まぁ、うちの所長や、1~2年ぐらい前に少しの間だけ研究所配属になっていた男の子なんかは、持ってる魔力でごり押しして研究してたけどね……」
トキシックさんは何かを思い出すかのように遠くを見つめた後、僕を見る。
「まぁ、とにかく、やってみることが一番ね。でも、安易に魔法は使わないこと。分かった?」
「「「「はい!!」」」」
僕たちは、元気に返事をした。
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