新たな友達
僕たちが、声のする方に向かうと、そこには、二人の少女と複数人の少女が向かい合って何かを言い合っている所だった。
「何?私たちは身の程知らずに優しく助言してあげているだけよ?」
「何が助言だ!この子を委縮させているだけじゃないか!」
そう言って庇っている少女の後ろには、震えて涙を流している少女がいた。
「おい!何をしているんだ!」
「ちょ、ちょっと!」
そこへずかずかと入っていくワンド君。
僕は慌ててそれについていく。
突然現れた第三者にびっくりして両者ともに黙る。
そして、他人から見られるのはまずいと思ったのか、複数人いた側の少女たちは
「ま、まぁ!身の程をわきまえて生きなさい!それが平民のあなたに相応しいですわ!」
そう言って、つかつかと去っていった。
僕は、ワンド君の頭をはたいた。
「もう!相手が不敬罪とか言って来たらどうするつもりだったの!?危ないところだったよ!?」
そういわれると、ワンド君はハッとする。
「あっ、ごめん……ついカッとなって……」
「あ、あのっ!」
そんな話をしていると、二人組の少女たちから声を掛けられた。
さっきまで震えていた少女はペコリと頭を下げる。
「あ、ありがとうございます!助けてくれて……」
「いやいや、運が良かっただけだよ!」
そう言ってワンド君は頭を掻く。
「いえ、これ以上激しい口論になっていたら、もっとまずいことになっていたかもしれない。私からもお礼を」
そう言ってもう一人の少女も頭を下げる。
その仕草はどこか、高貴さを感じさせるものだった。
もしかして……。
そう僕が考えを巡らせていると、ワンド君がもう一人の少女の両肩に手を置く。
「お前も大丈夫だったか?流石に複数人に囲まれてたし……少し震えてる」
「え?」
ワンド君がそう言うと、少女はハッとしたような表情になり、すぐに笑って息をついた。
「……バレてしまっていたか。大丈夫だ。気遣い感謝する」
二人の少女は同じクラスの人だったらしく、一緒に次の授業の教室へと移動した。
その間に自己紹介も済ませた。
泣いていた方の少女が、テトさん。
庇っていた少女がルヴェさんと言うそうだ。
どちらも平民らしく、テトさんは村の皆を守るための魔法を学びにこの学園に来たらしい。
ルヴェさんは、家が裕福な商人だそうで、家に箔をつけるため、また、将来の自分の仕事に役立てる為にこの学園に通っているらしい。
テトさんは、守るための魔法が無いことを知って、じゃあ、無いなら作ればいいんじゃないか、ということでそのとっかかりに術技祭に参加しようとしていたところ(参加者には補助金等も出ることもあるから)、さっきの少女たちに身の程を知りなさい、と絡まれていたらしい。
「へぇ、俺も同じことをやって術技祭に出ようと思ってたんだよ!一緒にやらないか?」
「え?いいんですか?」
「あぁ。二人より、四人の方が、何かと捗るってことだ!」
ワンド君がそう言うと、テトさんは感動した様子で、
「それなら、ぜひお願いします!」
と承諾していた。
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