クッキー
「それで?僕は何を手伝えばいいんですか?」
「話が早いですね!リック様には、今完成している毒の魔法の中で、『ポイズンサーチ』の魔法の研究に協力していただきたいんです!」
トキシックさんは鼻息荒く話を進める。
「『ポイズンサーチ』の魔法は私たちが研究する毒の魔法でも基礎の基礎。まず毒を知ってこそ、毒に近づけるということで研究している魔法なんです!でも、取り合えず理論上完成させた魔法はだいぶ複雑な魔法で、消費魔力も計り知れず……しかも、消費魔力を節約しようにも、どこをどうしたらいいのか、暗中模索状態で……」
「……なるほど、じゃあ、僕は何回も魔法を使って上手くいくかどうかを試せばいいんですね!」
「そういう事です!」
「分かりました!」
僕が笑顔でうなづくと、トキシックさんは僕に紙を手渡してきた。
そして、他の研究員の方は複数の皿をテーブルの上に並べていく。
「これが、理論上上手くいく『ポイズンサーチ』の使い方です!」
紙には、複雑な呪文や、手順が大量に書き記されていた。
「えっと……凄い量ですね……」
僕は、その一つ一つを間違えないように丁寧にこなしていく。
そして、最後の手順まで終わらせる。
すると、テーブルの上に置いてあった複数の皿の中からいくつかが赤く光りだした。
僕のクッキーや、他の皿は光っていない。
「えっと……光っているのが毒入りってことですか?」
僕がそうトキシックさんに尋ねると、トキシックさんは物凄く興奮した様子で「そうですよ!!やった!!実験成功だ!!」と他の人たちとハイタッチしながら喜んだ。
「これは理論上毒であるものは何でも光るはずなので、おそらくリック様のクッキーには毒が入っていません!」
「なるほど……」
ハイント様は、そう言って僕のクッキーをつまみ上げると、ひょいと自分の口の中に放り込んだ。
「……!!?」
がその途端にびっくりした表情になると、僕の方を凝視しだした。
「なんだ、これは!?思っていた数倍上手いではないか!?」
そういい放つハイント様に、僕はえへんと胸を張りたくなる。
「高級感を出すために、砂糖を大量に入れる他のお菓子と違って、甘さは抑えられているのに、却って上品な味わいになっている!クッキーの材料一つ一つが、このクッキーの味を最大限に引き出すのに、一役買っている!こんなクッキー、食べた事が無い!」
ハイント様はクッキーをかみしめながら、丁寧に解説をしてくれる。
僕は、自分の事のように鼻が高い。
「え?そんなにそのクッキー、美味しいんですか?」
「あぁ、うまいとも。君たちも食べるといい」
「え?じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます……うわっ!美味しい!?」
ハイント様からクッキーを貰った人たちも一口食べて大騒ぎしている。
「あ、あの、研究は……?」
「「「もう少しこの余韻を味合わせてください!!!」」」
「はい……」
その後、何回かの実験を経て、家に帰った。
今度も、何か持ってくるように、とのお達しで。
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