パン屋
それから家に帰った僕は、ヨツハにやることの提案をしてみた。
「なるほど……パン屋……」
「その『創造』の力だったら美味しいパンも作れるのではないかって……」
「『創造』で作れるものを商売にするのはいいかもしれないね!」
そう言うと、ヨツハは色々な食べ物を出し始める。
僕が分かる物もあれば、何なのか分からない物もある。
「とりあえず、色々出してみたけど……」
ヨツハはその中から透明な袋に包まれたパンを取り出した。
「でも、これってちょっとあれじゃない?」
「何?」
僕がヨツハに聞き返すと、ヨツハは少し考えるように言った。
「他のパン屋さんと競争にならないかな……?」
「?どういうこと?」
「ほら、私の作るパンは、まぁ美味しいだろうし、作るために必要な材料はリック君の魔力だけだから、物凄く安く作れると思うんだよね……」
「?」
僕はヨツハの言っていることが理解できなかった。
「なんで、それで競争になるんですか?」
「え?」
「パンはパンでしょ?なんで競争になるんですか?」
「あー……」
ヨツハが頭を掻く。
「……そりゃ、皆、安くて美味しいパンが食べたいからだよ」
「?パンにお金がかかるんですか?」
「かかるでしょ、それは。『パンが無ければ、ケーキを食べればいいじゃない!』なんて、言わないでよ?」
「?何それ?」
ヨツハは苦笑した。
「気にしないで……」
「?」
ヨツハはパンっと手を叩いて言った。
「とにかく、パンとかにもお金がかかるんだったら安くついた方がいいでしょ?」
「まぁ……確かに……?」
なんか、良くは分からないけど、僕は頷いた。
「ま、対策は考えているけど……」
ヨツハがそう言うと、何かを思いついたように手を叩く。
「そうだ!」
ヨツハはそう言うと、ヨツハの目の前に、四角い鉄の箱が現れた。
「リック君!これとかどう!!?」
「これって言われても……」
ただの鉄っぽい箱を見せられても反応に困る。
ヨツハは、ウキウキ顔で、箱を開いた。
箱の中には、クッキー?みたいなものが入っている。
「これは?」
「クッキー」
やっぱりクッキーみたいだ。
「食べてみてよ!」
「……分かった」
甘い物はあんまり好きじゃないんだけどなぁ……。
と思いながら、僕はクッキーを一つ口に入れる。
「……!」
サクッと口当たり良くほどけたクッキーは優しい甘さで口を包む。
「……おいしいですね!」
「でしょ?」
そう言ってヨツハはカップに紅茶を出してくれた。
「あっ!ありがとうございます!」
紅茶と一緒に食べると、程よい甘さが紅茶にすごく合う。
「クッキーって甘いものだと思っていました!」
「……私の浅い知恵と思考が当たっていてほっとした」
「?」
「気にしないで……」
そう言ってヨツハはため息をつくと、笑う。
「それより、こんなのはどう?『貴族向けの高級品』みたいな感じで売り出していくっていうのは?」
「?つまり、服とか、絵みたいな?」
「そう、そんな感じ」
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
もしよろしければ、下の☆で評価をしていただけると嬉しいです!
ブックマーク・コメント等も大歓迎です!
あなたの読書人生に良い本との出会いがありますように!




