学校にて
「はぁ~……」
「お、どうした?元気ないな!リック!」
「ちょっとですね……」
僕はワンド君に力ない返事を返す。
昨日、ヨツハと約束した仕事探し。
ヨツハは、他の人にはあまり広めてほしくないらしいので、僕が何とかできないか考えてみたが、いい案が浮かばなかった。
「まぁ、困ったことが有ったら相談に乗るぞ?」
「……う~ん、そうですね……ちょっといいですか?」
僕は、ワンド君に少し相談してみることにした。
「知り合いの子が、仕事を探しているんですけどね……」
「そっか……その子が、働きたいんだけど働き口がよく分からないってことか」
「そうなんです。なるべくその子の適正にあった仕事を見つけたいんですが、何分そういったことに不慣れな物で……」
僕がそう言うと、ワンド君も「うーん……」と唸る。
「その子の適正っていうのは……?」
「それが……よく分からなくて」
僕が濁すように言うと、ワンド君は
「そうか~!」
と声を上げた。
「ちょっとそれは難しいな……!」
「まぁ、そうですよね……」
「パン屋とかじゃダメなのか?」
「パン屋?」
「ほら、朝はパンが出てくるだろ?あれを作る仕事」
「……それもいいかもしれないですね!ありがとうございます!」
「いや、俺は全く役に立ってないと思うんだが……」
「いえ、凄くいいアドバイスをいただきました!」
「まぁ、助かったならいいんだけどよ……」
それから授業を淡々とこなしていく。
もちろん、他の案も考えつつ。
そして、最後の授業の時間になった。
本日は、いつもの授業ではないらしい。
「はい、今日は、再来週に控えてある術技祭の説明を行います」
「術技祭?」
皆、先生の言ったことを反芻する。
「はい。簡単に言うと、発表会です。外部の方々に分かりやすく学校の内容を説明することで、学校への援助をいただいたり、より入学者数を増やすための物ですね」
「先生!それって全員参加なんですか?」
クラスメイトの一人が手を上げる。
「一年生の場合は基本自由参加です。二年生以上の生徒は強制参加ですが。まぁ、良い発表ができれば、それだけ評価も上がりますし、外部の方々からの覚えもよくなります」
「ただ、自信が無ければ参加しないのが賢明でしょうね」
そう言って先生が締めくくり、いくつかの作業を行った後、放課後になった。
僕は、とりあえず帰るための準備を済ませていく。
すると、目をキラキラとさせたワンド君がこちらへ寄ってきた。
「なぁ、リック!術技祭!一緒にでないか!?」
「え?」
「これはチャンスだと思うんだ!やっぱり、皆に顔を覚えてもらう機会ってそんなに無いからな!こういう時に頑張った方が、夢に近づける気がする!」
「え、えっと……」
一応僕、まずい立場であることは理解しているし……。
逆に心証をまずくしてしまうかもしれないし……。
でも、協力はしたい……。
僕は、どうしようかと考えた。その結果……。
「僕は顔とかは出せないですけどそれなら……」
「……?いいのか?それで?」
「はい」
若干よく分からないと言った表情を浮かべたワンド君だったが、「まぁ、リックがいいなら」と納得した。
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