ケーキを買いに
それから、ミケアに色々な事を報告したら、怒りながら喜んでた。
「もう!ルースお兄様もリックお兄様も、なんで大事な事を私に教えてくれないの!?」
「本当にごめんなさい、ミケア」
「ごめんな。ちょっとバタバタしてたのもあって伝えるのが遅れた。本当はミケアに一番に伝えなきゃいけないことなのにな。本当にごめん」
僕とルース兄様は誠心誠意謝罪をした。
「……まぁ、リックお兄様が何事もなくこの家に戻ってくるので別にいい」
ミケアはフンと顔を背けて言った。
「いや、でも!やっぱりちょっとだけ許せない!特にリックお兄様!お詫びにケーキを買ってきて!」
「……わかりました!明日、買いに行きます!」
僕はそれでミケアが納得するのなら、と快諾した。
——翌日。
外は物凄い雨だ。
昨日までは雲一つない晴天だったのに……。
ミケアは外の様子を見て、申し訳なさそうにもじもじしている。
「あ、あの、無理はしなくていいからね……?」
「こんな雨!大丈夫です!馬車で行きますし」
僕は胸をドンと叩いて言う。
「そ、そうなの……?」
「もちろん!」
昨日、買いに行くと言ったのだ。ここで行かなきゃ兄が廃る!
ルース兄様みたいな良い兄になるために頑張るのだ!
そうやって馬車に乗って揺られること数分。
そろそろかな、と思っていたら、突然ガタン!と馬車が揺れ、止まってしまった。
僕は?と頭に疑問符を浮かべながら、馬車の窓から外を覗く。
すると、御者の方がわたわたと焦っているのが分かった。
「ど、どうしたんですか?」
と僕が聞くと、御者は申し訳なさげに言う。
「そ、その……馬車がどうやら溝にはまったみたいで……」
どうやら、復旧までに数分かかるみたいだ。
ここからお店まで行って帰るぐらいの時間。
「じゃあ、僕、ケーキを買って戻ってきますから、無理のないように復旧させてくださいね」
「は、はい……」
僕は御者にペコリと頭を下げると、なるべく濡れないように速足でお店に向かう。
傘をさしていても、足元が濡れてしまう。
ぱたぱたと店に駆け込むと、ミケアの好きなケーキを注文する。
そして、ケーキを受け取り、なるべく揺らさないように馬車の方へ走る。
そろそろ、馬車の復旧作業終わっているかな……?
そう思いながら歩いていると、視界の先に、なにやら人影が見える。
……どうやら、倒れているようだ。
僕は周囲を警戒しつつ、その人に近づく。
こういった場合、仲間が油断したところを襲う場合があるからだ。
近づくと、倒れている人の容姿がだんだんとわかってきた。
「……女の子?」
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