兄様、動く
——翌日。
「もう直接会いに行こう。多分それで問題ないはずだ」
とルース兄様が言っていたので、今日は二人で研究所を訪れている。
昨日の事もあり、30分ほど魔力の強化に努めたら、どんどん値がおかしくなっていったが、もう気にしないことにする。
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魔力 7364782
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|クリック|
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MpD:79504017.00 MpC:1622848.00
ショップ▼
マジッカーボード 必要魔力19574376所持数150 MpD+409600
鋼の肉体 必要魔力4344876 所持数110 MpD+25600
精霊さん 必要魔力5002182 所持数100MpD+128000
格闘家ジェイムズ 必要魔力2477864 所持数80 MpD+25600
魔法使いアレクサンダー 必要魔力353357 所持数50MpD+8000
???
称号◀
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最早ルース兄様の総魔力量をクリック一回で出せるようになったことや、一日に増える魔力の量がもう人間をやめてるレベルであることは考えないことにする。
なんだよ7000万って。まだ魔力0判定から一週間ぐらいしかたってないはずなのに。
ルース兄様に言ったら、「……それはやばいな!」と笑っていた。
昨日の数値でも問題なく生還できたが、今の数値ならばもっと安全に行けるだろう。
それに百万を一気に使った身体強化だって……。
と思い僕は頭を振る。
1万から、10万の強化であそこまで強化されたのだったら、10万から100万では、その比では済まないだろう。
もしかしたら、一回のジャンプで二度とここに戻ってこれないかもしれない。
そう思うと、簡単に試すことはできないだろう。
僕はブルブルっと体を震わせる。
いつものハイント様の部屋に到着すると、ルース兄様が先に入った。
「あ……」
僕が慌てて部屋に入ると、そこには少し驚いた顔をしたハイント様とミュリエルさん、そして柔和な笑顔を浮かべたルース兄様がいた。
しかし、ハイント様はすぐに表情を変え、真剣な表情になると、「こちらへ」とルース兄様を案内した。
ルース兄様は案内された席に腰かけると、さっそく口を開いた。
「俺の爵位相続の為の手伝いをしてもらいたい。話は以上だ」
ルース兄様がそう言うと、ハイント様は最初きょとんとしていたが、ため息をついて固かった表情を緩めた。
「……えぇ。私にできることは何でも協力するわ」
「よし!それじゃあ、話を詰めて行こう!」
「え……?」
僕は、言葉が出てこなくなる。
一体どういう事なんだろうか?
そんな様子だった僕に気づいたのか、ミュリエルさんがそっと近づいてくる。
「あのね、ルースはリック君を使って、あなたたちのお父さんを退陣させようとしているの」
「そ、そうなんですか……?」
僕がそう言うと、ミュリエルさんは少し笑った。
「えぇ。でも、今までは協力する口実が無かった。だから、ルースもうかつには動けなかったのよ」
……確かに、今のルース兄様には、協力できそうな他の貴族がいない。
だって、ルース兄様は、まだ学生だ。現貴族当主とのつながりは、断然父様の方が上なのである。
「もちろん、ルースも他に色々と策を練っていたでしょう。単純にラインスト公爵を継ぐなり、今から色々な夜会に出席して、他の貴族と交流を深めつつ、交代を迫るなりね」
ちらりと見ると、ルース兄様と、ハイント様は色々と話をしている。
「だけど、ここで母様の協力を得られると、また話は違うでしょう?」
「あぁ、確かにそうですね……!」
他の公爵とのつながりは、非常に有用である。
それに、ハイント様の知恵も貸してもらえる。
「でも、僕一人の事がこれだけ大事になるなんて……」
と僕がつぶやくと、ミュリエルさんは首を横に振った。
「まぁ、そうね。でも、ある意味でリック君のお手柄ね。リック君が得た力でルースのお手伝いができたと思えばいいわ。……まぁ、肝が冷えたから二度としないでほしいけど」
そう言ってミュリエルさんはため息をついた。
……確かに。
少しはルース兄様の役に立てたのは、ちょっぴりうれしい。
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