夕食
「いや、突然学園長様は驚いたね……」
「あぁ……でも、激励の言葉も貰えたし、俺、頑張ろうと思う!」
そう拳をぐっと握るワンド君を見て、僕も笑顔になった。
「うん、頑張って!僕も応援してる!」
そして、僕が魔法訓練を受けたその日の夕食。
僕とルース兄様とミケアとで夕食を食べていた時の事。
「なぁ、リック、今日は初めての魔法訓練の日だっただろ?」
そうルース兄様が話題を振ってきた。
「え、あぁ。はい。そうでしたよ!」
「そっかー!もう魔法訓練やったのかー。俺はもう覚えてないな……」
そうルース兄様は昔を懐かしむように言った。
と僕はそういえばと気になったことをルース兄様に聞く。
「そういえば、うちにも秘伝の魔法ってあるんですか?」
そう聞くと、ルース兄様は頷いた。
「あぁ。あるぞ。雷の魔法ともう一つだ」
「へぇ、そうなんですね、って言って良かったんですか!?」
僕は慌ててそう聞き返す。
そんなに秘伝をほいほいと口に出して良い物なのか。
「それは大丈夫だ。うちの秘伝が雷の魔法って言うのはよく知られていることだし。それに、ミケアやリックが知りたいんだったら俺直々に教えるぞ?」
「え、いいの?ルースお兄様?」
ミケアはラインスト家の秘伝魔法が習得できると聞いて目をキラキラ輝かせている。
「まぁ、ミケアもリックも身内だしな。問題ないだろう」
「やったー!」
「ミケアはもう少し大きくなって、自分の魔力量を測ってからな」
「はーい」
ミケアは一旦は止められたものの、それでもウキウキとした様子でご飯を食べ進めている。
「……あれ?そういえば、もう一つって何ですか?」
「それは、俺も存在自体は知っているんだが、まだあいつから教わってなくてな。多分、当主を継承するときにでもやるんじゃないかとは思ってるんだが……」
「へぇ、そうなんですね」
「まぁ、碌な魔法じゃない予感はしているから、継承するのはやめときたいんだがな……」
「碌な魔法じゃない?」
「俺の勘がそう言ってる」
「へぇ……」
そんな風に言っているルース兄様の勘はそんなに当たらない。
だから、杞憂であればいいんだけど……。
「まぁ、俺には俺の秘密の魔法もあるしな!」
するとルース兄様が衝撃的な事を言った。
「え?秘密、ですか?」
「あぁ。この魔法は、ちょっと複雑で教えられないんだが、強さは折り紙付きだと思ってる」
「へぇ、ルースお兄様、凄―い!」
「はは、もっと兄を褒め称えなさい」
「流石にそこまでは……」
「……そうか」
少ししょんぼりとするルース兄様。
そうして、僕の何気ない一日は過ぎていった。
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