入学
それから。
僕たちは家に戻ってルース兄様に謝りに行った。
ルース兄様は「何、可愛い妹のやることだ!」
なんて言って笑って許してくれた。
その後、ミケアはルース兄様を遊びに誘っていた。
久しぶりにミュリエルさんにも会いたいらしい。
ルース兄様は「じゃあミュリにも連絡とってみるけど、あんまり期待はするなよ?」と言っていたが、ミュリエルさんもミケアには会いたいだろうから、多分来ると思う。
そして、それから研究や準備などで数日が過ぎた。
そしてやってきた朝。
「リック!いよいよ学校だぞ!!」
その日は朝からルース兄様が部屋に飛び込んできた。
「ルース兄様……早すぎませんか……?」
ルース兄様は軽快な笑みを浮かべる。
「まぁ、ちょっとした手続きもあるからな!」
「ルースお兄様、リックお兄様、頑張ってください!」
同じ時間に起きたはずなのにすごく元気なミケアに見送られて、僕とルース兄様は出発する。
学校に着くと、まだ誰もいない。
「ルース兄様、本当に早すぎでは……?」
ルース兄様はズンズンと校舎の中に入っていく。
「とりあえず、学園長のところに行くぞ!」
「え……?」
しばらく校舎の中を歩くと、少しばかり他の部屋と雰囲気の違うドアが見えた。
「ルース兄様、この部屋が……?」
ルース兄様は頷く。
「学園長の部屋だ。入るぞ!」
「あ、ちょっと、心の準備が……!」
ルース兄様は僕の心の準備が終わるまでもなく
扉を開く。
「失礼します!」
「はい、いらっしゃい」
「あ」
そこにはハイント様の姿が。
そういえばここの学園長も兼任していたんだった……。
目の前にいるのが知っている人で僕は肩の力が抜けた。
「じゃあ、手続きを進めましょうか」
「手続き?なんですか?」
僕がそう聞くとルース兄様とハイント様は
「ルース君の教室を移す手続きね」
「あぁ。流石に高位貴族達のクラスだと余計な衝突があってもおかしくないからな……」
と答えてくれた。
「だからなるべく確執の起こらない男爵とか子爵、後、平民をまとめたクラスに所属させる」
「あ、ありがとうございます……」
まさか、こんなことまで手を回していてくれたなんて、本当にハイント様とルース兄様には頭が上がらない。
「それからリック。申し訳ないが、クラスでの自己紹介は平民で頼む。公爵家の関係者だとわかるとみんな萎縮しちゃうからな……」
ルース兄様が悔しそうに頭を掻く。
確かにそうかもしれない。
「あ、わかりました……」
「本当にすまないな……。俺のわがままみたいなものでもあるのに」
「大丈夫ですよ、ルース兄様!」
僕はルース兄様に強くそう言う。
「じゃあ、今日、朝の9時から学校は始まるから、それまでゆっくりしておいてね」
え……まだ後何時間あるんだ、それ。
どこで暇を潰すか、考えようとすると、
「リック!」とルース兄様から声がかかる。
「よかったら、生徒会室で休憩を取らないか?あそこだったら俺の物みたいなものだから」
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