兄妹デート
翌日。
ルース兄様から。「まず顔を見せてやれ」と言われたので、僕は玄関でミケアが来るのを待っていた。
すると、ガタゴトと重い馬車の音が聞こえてきた。
その音が止む間もなく、ドンと扉の開く音が。
「リックお兄様~!」
そこから勢いよく走り出してくるミケア。
「ミケア!」
僕は何とかミケアを受け止める。
「お父様がリックお兄様を勘当したって言って!何をふざけたことをって思ったけど、そこを何とか飲み込んでこっちまでやってきたの!」
「うん」
「お父様を止められなかったルース兄様も嫌い!リックお兄様が酷い目に遭ったらどうするつもりだったの!」
ミケアはすごく怒っている。
「ま、まぁ、ルース兄様はこういう状況になっても色々と助けてくれましたから……」
「……確かに、そうね。手紙に嫌いって言ったの、謝るべきかしら……」
「後で二人で行きましょうか。今日は僕と買い物に行くんですよね?」
「……そう!今日はリックお兄様を一日貸し切りするの!」
そう言って、ミケアは僕にぎゅっと抱き着いてくる。
相変わらず、僕やルース兄様にべったりで、将来がちょっと不安になる。
「それじゃ、行きましょうか」
「ええ!」
それから僕とミケアはしばらくお店を回っていた。
服のお店が中心で、色々と感想を聞かれて少し大変だった。
……こう、誉め言葉のレパートリ―足りないのだ。
せっかくキラキラと僕に「似合いますか!?」と聞いてくるミケアに対して、ただ「似合っていますよ」だけではちょっぴりさみしい。
ルース兄様は、こういうのも結構そつなくこなす節がある。
兄妹三人でこういった場に赴く時も、しっかりとどこがどう似合っているのかを的確に指摘するセンスがあるのだ。
凄いな、と思うが、僕には難しい。
そんな感じで服を見終わった後、僕たちは少し休憩を取ることにした。
ミケアは紅茶を少し飲むと、ポツリポツリ話し始めた。
「ねぇ、リックお兄様、今、本当に大丈夫なの?」
「え?大丈夫ですよ」
「……私だって力になりたいのに、まだまだ子供の私じゃ、助けることができないの」
僕は、そんなミケアの様子を見て、微笑んだ。
「そんなことないですよ」
「え、でも……」
「僕にとっては、ミケアやルース兄様が味方でいてくれることが一番うれしいんです。勘当されて、周りの人たちが静かに見下してくる。この場に僕の味方は誰一人いないんだって感じたときが一番怖かったです」
「リックお兄様……」
「でも、それでも、ミケアやルース兄様は味方でいてくれた。それだけでフッと心は軽くなったんです。だから」
僕は優しい声でミケアに言う。
「ミケアのおかげで僕はこうやって笑えるんです」
僕がそこまで言うと、ミケアは、少しうつむいた後、花が咲いたような笑顔で言った。
「……分かりました!これからもずっと、ルースお兄様の味方でい続けます!それが私にできる事です!」
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