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DEAD LIFE   作者: をか岡
第1章

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43/50

仲間と共に

今日はあの日と違い、雲ひとつ無い青空がどこまでも広がっていた。

歯を食いしばり、壁伝いに歩く。

「くそっ、まだ歩くのは無理か…」

近くに停車している空車のタクシーに乗り込む。

「どちらまで行かれますか?」

「ここまでお願いします。」

そう言ってスマホで地図を見せた。

「かしこまりました。」

車で15分ほど走った所で料金を支払い降りた。

てか、あの日もタクシー使えばよかったな。

ツルが絡み、直射日光が照りつけるパーゴラに入る。

するとやはり今日も先客がいた。

「…久しぶりですね。貴方でしょう?俺を呼んだのは。」

俺が声をかけると、灰色の髪を靡かせてこちらに振り向いた。

そして顔を合わせるとすぐに笑みを浮かべた。

「元気だった?」

息を切らして目にはクマが酷くて、こんなボロボロな姿見てそれ言うか?

「これが元気に見えますか?」

「ははっ、見えないね。」

まさかまたここへ来るとは思わなかった。

「どうして"メッセージ"が俺だとわかったんだ?」

メッセージ…それはスキル発動と表示されたウィンドウのことだ。

「2回とも俺に攻撃しようとしていた人はいない。つまり送り主は俺にメッセージを送れる"外"の人間、もしくは"外から来た"人間のはずだ。」

淡々と話す俺を見つめるシェイドは、やはり奇妙な雰囲気を感じた。

「そこで俺の異能を使ってみたんです。もし相手を認識しているなら異能が発動するはずだから。そしたらここに繋がった。」

「…素晴らしい推理だね。」

するとシェイドは俺の目の前まで近づき、そして心臓を指差した。

「それ、治してあげようか?」

「え?」

「体に馴染んで痛みは治まっているだろうが、このままだと君のその小さな体は莫大なエネルギーに耐えきれず完全に消えてしまう。」

「なんでそんなこと知って…」

俺の言葉など聞かず、服を捲り上げた。左胸に当てたシェイドの手は、亀裂の隙間に入っていった。

「ああっ…!なに…すんだ…!!」

皮膚を裂くような痛みと人の手が体に入る不快感で気持ち悪い!

痛みから手を抜こうとシェイドの腕を掴み、引っ張るがビクともしない。

何かをぐっと掴んだような感覚がしたと同時にシェイドは俺の胸から手を抜いた。

「うっ…!はぁ…はぁ…」

「これが君達を苦しめていヒビだよ。」

それは青い光を放つ球体の光弾だった。

「これが…?」

自分の体に視線を落とすと、驚きで目を丸くする。

「あれ!?体の亀裂が消えてる!!」

なんとあれほど苦しかった痛みは嘘のようになくなり、亀裂も綺麗にくっついていた。

取り除いた光弾を握り、シェイドは力を込めた。すらと青い光は粉々になって散った。

あれほど俺達が苦戦していたヒビをこんなにも簡単に取り除いて消すなんて…

「アンタ一体何者なんだ?」

ニヤリと笑い、口を開いく。

「君の言った通りだよ。」

やっぱり、シェイドは俺と同じく外から来た人間だったんだ。

だけどそれなら何故シェイドは俺のように修正されないんだ?

「それじゃあ、病み上がりだし早く帰ってゆっくり休んで。」

そう言い残していつの間にかシェイドはどこかへ去っていった。

「まだ聞きたいことあったのに。」


帰宅し、部屋へ戻ろうとエレベーターのボタンを押したその時、後ろから俺を呼ぶ声がして振り返る。

「ヤマト、そんな体でどこに行っていたんだ?」

「ハユンさん。ちょっと出掛けてました。」

ハユンは不服そうな顔をしていた。

「体は大丈夫なのか?」

「それなんですけど実は…」

話が長くなりそうだったためハユンの執務室へ移動し、今日あった出来事とヒビのことを話した。

「…なるほど。そんなことがあったのか。」

「はい。ヒビのことについてはもう心配いらないと思います。」

「そうか。念の為立ち入り禁止区域を部下に調べさせておこう。」

「それがいいと思います。」

「それにしても、傷が治ってよかった。」

「はい。今は痛みも全くありません。」

「だが念の為まだ無理はしないことだな。」

「大丈夫です。わかってますよ。」


後日、ハユンの部下による調査の結果、なんとヒビに奪われていたエネルギーは元に戻っていたという。

草木は太陽に伸びるように伸び、褪色していた街に色が再び宿った。

「お久しぶりです、ヴィンさん。」

「久しぶりだな。お前らの言う通りしっかり仕事はしといたぞ。」

「そうか、ご苦労だったな。」

ヴィンさんは約束通り、上司であるギルドリーダーにハユンの協力をするよう催眠をかけていた。

効果はあったようで寂れてしまった街の修復作業を行ってもらっている。催眠が切れたらその時の記憶は無くなるため、ハユンは安心して扱き使っているらしい。


ピンポーン

「はーい…あれ?スアンさんにアンナさん、どうしたんですか?」

「ヤマト復活祝いに皆でご飯食べ行こうよ!」

「お店予約してるので後でイーゼンさんとリーダーも合流する予定なんです。」

「今夜は焼肉だよ!」

わざわざ俺のために集まってくれるなんて…

「もちろん行きます!」

「そうと決まれば早速出発しましょう!」

「あ!そうだキンスさんも誘いに行かないと!」

全て丸く収まり、破滅の危機だったこの世界は再び平和を取り戻した。

しかし問題が全て解決した訳ではない。

いずれまた創造主は修正するために俺を消そうとするだろう。それにシェイド…敵なのか味方なのかまだわからない。

まだまだ不安は沢山ある。けど…俺には共に闘う仲間がいる。

「ヤマトーもっと食べて太らないと!」

「スアンの言う通りだ。そんな貧弱な体じゃあすぐ死んじゃうぞ。」

「ほら!イーゼンさんもこう言ってるし」

スアンさんとイーゼンさんは俺の皿に焼いた肉を何枚も入れた。

「そんなに食べれませんよー…」

こうやって誰かと食事をして騒いだのはいつぶりだろうか。

「私の肉も食べていいぞ。」

「ちょっと、ハユンさん!」

「沢山食べて大きくなって下さいね。」

「キンスさんまで!?」

はぁ…こんなに食べきれないよ。だけど、とてもいい気分だった。

誰かと食事をするのってこんなに楽しんだな。

俺達はたわいもない話をしながらご飯を口に入れる。

第1章完結致しました。

ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。そしてこれからもどうぞよろしくお願い致します。

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