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DEAD LIFE   作者: をか岡
第1章

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危機察知(3)

木漏れ日が差し込み、滴がガラス玉のように輝く。雨上がりの湿った土の匂いが心を落ち着かせる。

「雨、止みましたね。俺はもう行きますね。」

そう言ってそそくさと去ろうとすると、男に腕を捕まれて引き止められた。

「シェイド。俺の名前、覚えておいて。」

揺れ動く灰色の髪と吸い込まれるような深い瞳に目を奪われる。

「…ヤマト」

何故か自然と自分の名を口にしてしまった。

「また会おう。ヤマト」

名前、教えてしまって大丈夫だっただろうか。

シェイドは俺の行き先とは違う方向に歩いていった。なんとも言えない不思議な男だった。

水が跳ねないよう優しく地面を踏む。また雨が降らないうちに早く帰ろう。


「あ!おかえりヤマトー。遅かったね。」

笑顔で呑気そうなイーゼンさんの顔を見ると、今日一日の疲れが一気に押し寄せた。

「いやいや…店遠すぎですよ!それに途中で雨降ってきたから雨宿りしてたんですよ!」

「そうだったのか?悪かったよ。それ、そのままリーダーのとこ持ってってくれる?」

一刻も早く風呂に入って休みたい。

「わかりましたよ…」

――コンコン

「失礼します。ハユンさん、お使い行ってきました。」

ハユンは椅子に座って大量の資料を読み漁っていた。

「あれ?イーゼンに頼んだんだが…ヤマトくんが行ってくれたのか。ありがとう。」

「はい、どうぞ。ここ置いときますね。それじゃ失礼しましたー」

頼まれた物を机に置いてさっさと部屋に戻ろうとすると、ハユンに引き止められた。

「なんだか疲れた顔をしているね。」

「当たり前ですよ。片道40分以上歩いたんですから。」

あんたと話してると余計疲れるから早く部屋に帰してくれ…なんて言えるわけない。

「お礼に晩御飯奢るよ。」

忘れていたが相手は世界最強のギルドマスターだ。失礼のないように笑顔で丁寧に…

「いえ、結構です。それではさよなら!」

バタンッ

「…振られちゃった。」


「あーー気持ちいい〜」

沢山歩いて汗かいて入る風呂が一番気持ちいい〜…

最近忙しくてシャワーだけの日が多かったからなー。

そういえば危機察知が反応してたけど結局何もなかったな。

『また会おう、ヤマト』

…いや、もう会うことはないだろう。

スキルにも誤作動というものがあるかもしれないしな。まだここへ来たばかりだ、何が起きてもおかしくない…と思おう。

前世で仕事してた時もパソコンの不具合でデータ飛んだりしてたもんな。あの時はめっちゃ焦ったなー。

のぼせないようそろそろ上がるか。



『速報です。昨夜から謎のヒビでによる被害範囲が急速に広がっています。市民の皆様は危険区域に絶対に侵入しないようにしてください。』


今までヒビの巨大化は収まっていたが、突然事は動き出した。そのためメンバーを集めて緊急会議が行われた。

「ヒビ発見当時から調べていたが、未だにあれがなんなのかはわかっていない。」

ハユンが昨日忙しそうにしていたのはこれが原因だったのか。

スアンさんがハユンに向かって発言する。

「正体がわからない今はどうすることもできません。しかしこのままでは市民にまで被害が広がってしまいます。」

ここまで総出で調査しているのに正体がわからないなんて…審判に言われたこと皆に言うべきだろうか。

「その通りだ。どうにか対策を練らなければならない。そこで、今から現場へ行ってヒビの内部へ侵入しようと思う。」

衝撃の発言にその場にいた全員が口を揃えた。

『侵入!?』

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