真相究明
ハユンとステータスアップのために狩りに行った翌朝、テレビをつけるとニュースが流れていた。テレビの中のアナウンサーが明瞭な発声で話している。
『世界最強の異能者と言われるギルドリーダーのハユンさんはなんと.....女だった!?』
という内容のものだった。俺は8秒ほど思考が止まった。
...なんだ...と?
「...ぷっ、あっははははは!!」
俺の横でスアンさんは大きく口を開けて机をバンバン叩きながら笑った。
「もぉー、俺ちょっと信じちゃいましたよ。」
今日はこの衝撃の報道関連でメンバーに招集がかかった。
よりによってあんな気色の悪いニュースを朝っぱらから見る羽目になるなんて。ハユンは口元は笑っているがなんとも不服そうな、複雑な表情をしている。
「ヤマトさん本当にあのリーダーが女だって信じたんだ!?」
「信じられないから驚いたんですよ!そんなに笑わないでください!」
そう、あのハユンが実は女だったというのは嘘の情報だったのだ。
「俺以外の皆さんは知ってたんですか?」
ずっと笑いを堪えていたイーゼンさんが話し出した。
「知ってたというか...普通にあんな嘘流すってことは何かあったんだろうとは思ってた。」
「そうなんだ。実はある貴重な情報を手に入れた。だがその情報は報道陣に知られてしまい、今朝報道される予定だったんだ。」
「なるほど、だから話題になりそうなこっちの情報を売ったってわけですか。」
「そういうことだ。」
「にしても、なんでわざわざリーダーが女だなんて嘘を...」
スアンさんは肩を震わせて口を手で押えながら笑いを堪えている。
「...それはキースに言ってくれ。嘘の情報を作って渡したのは全てキースだ。」
ハユンは目から光が消え、どこか遠くを見つめていた。
「キースさん、謎のチョイス。」
「スアン、笑い過ぎだぞ......っぷ」
イーゼンさんは笑うスアンさんを注意しながら自分も吹き出した。
「全く笑いすぎですよスアンさん...!」
ニヤニヤしながらアンナさんはスアンさんの肩をバシバシ叩く。
「そういえば、さっき言ってた貴重な情報ってなんですか?」
「そうなんだ。キースへの仕返しばかり考えていた。その手に入れた情報の事で今回集まってもらったんだ。」
ハユンは真剣な顔をして話す。
「...街に謎のヒビが現れた。」
謎の...ヒビ?
「そのヒビを中心に電力や水力、風力までもの全てのエネルギーが弱まっている。」
「それって...そのヒビの中にエネルギーが吸収されているということですか?」
不安げな顔でアンナさんは質問する。
「恐らくそうだろうな。そのヒビはまるで空にへばりついているようだった。」
...まてよ、エネルギーが吸収...?審判が言っていた1か月後に起こる大災ってこのことなんじゃないか...?審判の言っていたことは本当だったのか!
恐る恐る口を開く。
「もっ、もしも...全てのエネルギーが奪われたら、この世界は消えてしまうんでしょうか?」
一瞬シンとした空気が流れる。
「...そうなるかもしれないな。私が1番恐れているのは、残りのエネルギーをめぐって争いが起きないかだ。」
確かに、エネルギーが奪われていると人々が知ってしまったり自宅のエネルギーが無くなったりしたら...争いが起こってもおかしくない。
世界を守護する存在は争いが嫌でこの世界に"運命"を与えたんだとしたら本末転倒じゃないか。
「謎のヒビの拡大や増大を防ぐため、今から実際に現場へ調査しに行く。それと、このことは他人に漏らさないように。」
メンバーは全員顔を合わせて頷いた。
何かヒビを止める方法を探して、どうにか解決法を考えないと。




