真相究明(2)
「これは...」
車で現場まで移動し、調査を開始する。到着する前から車の窓越しに見えてはいたけれど、実際に近くで見ると意外と大きいな。
「何があるか分からないからあまり近づかないように。」
「はい。」
白や青の光が混ぜ合わさり、まるで空中にへばりつくような、本当に空にヒビが入っているような光だった。
こんなに美しいものが世界を滅ぼすなんて...
俺は目を凝らして光を見つめる。
ジジッ――
「痛っ...!」
ピコン
[スキル 使用不可]
なんだ...!?スキルを使ってヒビの中を見ようとすると、目の奥に一瞬電気が通ったような痛みが走った。
ピコン
[スキル 使用不可]
[スキル 使用不可]
[スキル 使用不可]
機会が壊れたかのように何度も通知が届いた。まるで何者かに意図的に侵入を遮断されているようだった。
この後集合した時皆さんに知らせよう。
ハユンによると、既に現場周辺のエネルギーは奪われて家の電気がつかなくなったり、水が出なくなったりしているそうだ。現場周辺に住んでいる人々には先日のメインストリート爆発事故による停電と脱水だと知らせているらしい。
もしこのまま止められず、世界のエネルギー全て無くなってしまったら俺達は.....
自分の頬をバシッと叩く。だめだだめだ!悪い方向に考えるな。
とにかく何も分からない以上、今はこのヒビについてなにか探るしかない。
「手がかりになりそうなものは何も無いな。」
ハユンは光を見上げながら言う。そしてメンバー全員が光の下に集まる。
「あの、実はさっきスキルを使ってヒビの中を見てみたんですけど、その瞬間目に電流が走ったみたいな痛みがしてなにかに遮断されたんです。」
「...なるほど。やはりあれはただの光ではないようだな。」
そしてスアンさんが次に口を開いた。
「ですね...。ヤマトさんのスキルでも見ることが出来ないのなら触れてみるしかないですかね?」
「だが何も分からないまま触れるのは非常に危険だ。」
どうすることも出来ない俺達は眉をひそめ、途方に暮れる。
「...あの...」
沈黙の中、アンナさんが自信なさげに手を顔の横に挙げた。
「私の異能を使うのはどうでしょう...?」
すると俺以外の皆がはっ!という表情になった。
そういえばアンナさんの異能ってなんだろう。俺はまだハユンとイーゼンさんの異能しか見たことがない。
「アンナ、ナイスアイディア!」
「やってみる価値はあるかもな。」
「はい!やってみます!」
何をするつもりなんだ?隣にいるイーゼンさんに小さな声でこっそり質問する。
「あの、アンナさんの異能ってなんですか?」
「ああ、アンナはな...」
アンナさんは光に手をかざした。するとかざしている手が光りだした。
「光を操る能力があるんだ。」
「光を操る...?」
光からものすごい風が吹き、さらに強く光る。しかし、アンナさんの手に光が反応したのかバチッと音を立てて光は元の姿に戻った。
「だめです。私の能力よりはるかに強いエネルギーを持っているので吸収できませんでした。」
なるほど、光を吸収する能力か!
「詳しく説明すると、アンナは対象の光を吸収して、自分のエネルギーに変換できるんだ。そして吸収した光を放つことで熱を放出することも出来る。」
そのアンナさんでも吸収できなかったということは、あの光は既に多量のエネルギーを蓄えているということか。
「お役に立てず申し訳ないです...」
しょんぼりしているアンナを励ますようにハユンが口を開く。
「いや、おかげでわかったことがある。あの光はアンナの能力のように大量のエネルギーを吸収し、十分に蓄えたうえで放出する...つまり大爆発を起こす可能性がある。」
世界全てのエネルギーを奪ったうえに大爆発を起こして完全に世界を消すというわけか...
「このヒビの目的がわかっただけで十分だ。今日のところは帰ろう。」




