狩りへ行こう(3)
ガサ...ガサガサ...
草むらの中から何かが動く音が聞こえ、身構える。
「な、なんだ?」
警戒すると音は止まった。緊張した空気の中息をのむ。
すると突然草むらの中から大きな鳴き声とともに、毛を纏ったなにかが俺達に襲いかかってきた。
驚きでぎゅっと目をつぶる。
「...ん?」
ゆっくり目を開けると目の前にハユンが立っていた。
「え...えぇ!?」
なんとハユンは片手で襲いかかってきたモンスターの首を掴んでいた。驚きで目がとび出そうだ。
「だめじゃないかヤマトくん。ちゃんと仕留めないと。」
首をつかまれているモンスターは苦しそうにバタバタ暴れていた。これがモンスター...やはり見たことない姿をしている。動物が進化したような姿だった。
「...ってか、ハユンさんってちゃんと強いんですね...。」
やっぱ世界最強って言われるだけあるんだな。
モンスターを掴みながらハユンはクスッと笑った。
「そりゃそうだろう。君をちゃんと守ると言ったじゃないか。」
まぁそうだけど...こいつの言うことは嘘くさいからなー
「さ、ヤマトくんがこいつを仕留めるんだ。」
「あ、はい...。」
ハユンから借りたダガーでモンスターの腹部を刺す。モンスターは苦しそうに呻き声を上げた。
「ごめんね。」
ダガーを抜くとオンラインゲームのラグのように動きが遅くなり、刺した場所から灰のように粉々になって消えた。
「...なんだか胸が痛みますね。」
「こいつらは人々に危害を加えようとする。被害者が出る前に殺しているだけだ。もし恨むなら自分じゃなく、モンスターを生み出した異能者を恨むことだな。」
これは励ましてくれているのだろうか。わかりにくいやつだな。
ピコン
[身体能力 +10]
[握力 +8]
ピコン
[あなたのステータスが上がりました]
「あ!ハユンさん!ステータス少しですが上がりましたよ!」
「そうか、それは良かったな。」
少し体が軽くなった気がする。これを続けていけばもっと身軽になれるのか!
「もっと倒しに行きましょうハユンさん!」
「...さっきまでモンスターを倒して心を痛めていなかったか...?」
そして俺達はさらにモンスターを倒していった。最初の方はハユンが捕まえてそれを俺がとどめを刺すって方法だったが、最後の方は倒す度に慣れとステータスアップのおかげでハユンの助け無しでも倒せるようになった。
そうして最終的に俺の成果は...
ピコン
[身体能力 +27]
[攻撃力 +12]
[防御力 +8]
ピコン
[スキル 夜光眼 Lv4]
[自身に降りかかる攻撃を2秒前まで予測可能]
ピコン
[あなたのステータスが上がりました。]
なんとスキルまでレベルが上がった。元々は攻撃が来るということがわかる程度だったが、レベルが上がってどんな攻撃がどこから来るのかということまでわかるようになった。それを避ける瞬発力がまだ俺には無いけどね。
そして狩りを終えた俺とハユンは来た道を引き返して車に戻り、事務所へ帰った。
貸してもらっていたアイテムや武器はハユンさんは使わないからあげると言われた。
もっとステータスを上げて強くならないと...審判が言っていた"運命"という言葉が頭の中に浮かぶ。
シャワーを浴びてベッドに飛び込む。
「あー疲れたー...」
久しぶりに激しく体を動かしたから筋肉痛で身体中が痛い...。明日は何も予定がないし、ゆっくり休もう。
――そう思っていたのに...翌日の朝、センセーショナルなニュースが報道された。




