招集(2)
カチッ
時計の針の音が部屋に鳴り響く。
「13時になったので会議を始めます。…スアンはどうした?」
「えっと…わかりません…。」
集合時間になったが、スアンさん1人だけがまだ来ていなかった。
「まったく、またか…」
ハユンがため息をつく。
「またかってなんですか?」
隣に座ってるアンナさんにこっそり聞いた。
「スアンさんはいつも時計を見ないので…」
キョトンとした顔をしていると、バンッと勢いよくドアが開いた。
「遅れてごめんなさい!」
「やっと来たか。」
汗だくで息を切らしたスアンさんが来た。なるほど、遅刻の常習犯ってことか。
「スアンさんったら…隣空いてるのでどうぞ。」
アンナさんがクスッと笑う。
「ありがとうアンナ。アンナは今日も可愛い!」
そう言って頭を撫でる。するとアンナさんは顔を真っ赤にして下を向く。
「では改めて、会議を始めます。」
「…つまり、俺達は今弱者守護反対のギルドに狙われていると?」
「その通りだ、ヤマトくん。全てのギルドを潰し、さらに勢力を広げようとしているのだろう。そこで我々のギルドが今現在狙われているようだ。」
元々3つあるギルドの全てを潰して支配し、自分達の支配下にしようってことか。
「狙われてるって…どうやって対策するんです?」
するとハユンはニヤリと笑った。
「やられる前にやってしまえばいい。」
ハユン以外の全員がポカンと口を開けている。
「…はい?」
「向こうからなにか仕掛けられる前にこっちから仕掛けるんだ。相手の弱点を狙う。」
「弱点?」
「そうだ。今回我々を狙っているギルドのメンバーの1人に、"支配"の異能を持つ者がいる。」
「あ、なんかその話聞いたことあります。」
イーゼンさんが手を挙げて発言した。
「確か、目が合ったまま命令すると従わせることが出来るとか…」
「その通りだ。」
そんな異能もあるのか。でもそれをわかっている人は目を合わせないようにすればそこまで脅威ではないのか?
「そいつが乗せた車が明日、メインストリートを通るという情報を入手した。」
「それじゃあ私達も同時刻にそこへ行って待ち伏せってことですか?」
「そういうことだ。」
それって…そいつを殺すってことか?
「ただし、殺しはしない。殺してしまえば怒りを買って返り討ちにあう可能性があるからな。」
よかった。ほっと胸を撫で下ろす。
「じゃあどうするんですか?」
「殺さない程度に怪我させるんだよ。」
不気味な笑みでイーゼンさんが口を挟む。
それって殺すのとあんまし変わんないんじゃ?結局怒りを買うことになる気が…
そもそも車内からどうやって攻撃するんだろう。
「どうやって車の中から攻撃すんですか?」
挙手をして発言する。するとスアンさんが自慢げに言う。
「うちのギルドの車は一味違うからね。」
「普通の車じゃないんですか?」
「もちろん!車内からでも攻撃できるようになってるから、楽しみにしててくださいね。」
スアンさんは俺に向かってウィンクした。
なんだか不安だな…
そういえば、スキルのこと言わなくてよかったかな?一応明日集まった時言っておくか――




