9 エメラルド宮であったこと
残酷な描写あり…?です。結構、控えたつもりですが、一応お伝えしておきます。
「離して!お願いだから…もうっ!」
エバはロンに取り押さえられている中でも、そんなこともどうでもよいと言わんばかりに抵抗をしていた。そして諦めたような声で発する。
「もう…殺してよ。」
「!?」
私はその発言に驚きの表情を浮かべた。
なにがあなたをそこまで追い込んでいるのよ!…!?
私は押さえつけられた彼女を見てあることに気づき、彼女のもとに近づき言った。
「悪いけど後ろ、服を脱いでもらえる?」
「…え?」
「主命令よ。分かったら、すぐに脱ぎなさい。」
ロンは彼女に気を使ったのか、ハサミをすぐに回収をし、後ろを向いてくれた。その隙に私はすぐさま彼女の服を剥ぎ取る。
「これって…!?」
肩、背中、腰、尻のあたりら辺までになにかで叩かれたような青くアザができ、腫れてしまった肌が私の瞳にうつっていた。
「…エメラルド宮で何があったの?」
***
エメラルド宮では、地獄の日々が続いていた。
すべてがリーゼ様を中心に回っている。彼女は愛人なのだから、当然のことだ。だけど、それが当然であったとしても、辛いとしか言いようのない日々が続いていた。
その中でも、リーゼ様は我々侍女たちを使い捨ての駒のように扱っていた。
気に入らない人間や自分に歯向かった、または嫌いな人間を鞭で叩いたり、水に何時間も入れたり、足の指を切ったりと残酷なことをしていた。
私もその被害にあった内の1人。
私の入れる茶の味が気に入らないからと、入れた茶を顔面にかけられた挙句、背中を鞭で何度も叩かれた。その次は、私がリーゼ様の落としたペンを拾ったために仕置きを受けた。汚らわしい人間に攫われたから、身を洗ってこいと真冬の滝何時間もくくりつけられて置き去りにされていた。
そのペンを拾わなかった子達は、全員リーゼ様の公開処刑となった。彼女いわく、「ハンカチで拾えばよかったでしょうに。」とのことだ。
この地獄の侍女の仕事を続ける理由は私にはある。
お給金を病気である妹の治療費にしなくてはならない。
「姉さま。ご無理はなさらないでくださいね。」
これが幼い妹の口癖だった。きっと私がこんな最低な主人の使用人であることを知った彼女は是が非でも私に治療費を払わせまいと行動を起こすはずだ。だからこそ、言えもしないし、この仕事をやめれもしなかった。
そんななか、リーゼ様から突然としてある命を受けた。
「ムーンストーン宮に入ったミア・グリーンフォードに嫌がらせをしてきて。」
「…リーゼ様。さすがにその命は受けられないかと…。」
「使用人の分際で私に歯向かう気なのね。ふぅん。」
すると、彼女は近くにあった花瓶から一輪の花をとりながら言った。
「あなた、病者な妹がいるそうじゃない。もし断れば…その妹はどうなるのかしら。」
「!?…ですが、万が一リーゼ様の命とバレてしまっては」
「そのときは、あなたが独断でやったことと言うから問題はないわ。だけどさすがにかわえそうだから、あなたが死んだら、その妹ぐらいは助けてあげる。あなたの臓器でも売って。」
耳元で囁かれた言葉に思わず目を開いた。
断れば私の妹が危ない。ならば、いっそのこと…。
そんな思いで、私はミア様の侍女となった。そこからは、ムーンストーン宮に来る前にリーゼ様から言われた嫌がらせをしていった。どうせ、私は捨て駒。どちらにせよ、私は罰せられる。
ならいっそのことーーはやく殺してよ。
そんな思いで嫌がらせを続けた。だけど、なんで彼女は私を罰しないの?
そして、ミア様の髪を結ぶのと同時にリーゼ様からのご要望通りに髪をズタズタに切る予定だった。
さすがのミア様も、そうなことをされれば私を許せなくなるだろう。
お願いだから、もう…殺してよ。




