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24 後戻りは不可能なようです

ドタドタ。廊下を何人かが駆け出す音。


「おい、あの悪女が地下牢から逃げ出したらしいぞ。」

「地下牢から!?んなことあるのか!?」

「ひとまず、俺達はこの区域を探すぞ!見つけ次第、捕まえろ!死なない程度の攻撃は許されている!」


「了解!」と何人かの騎士が言っていた。私は彼らのその声を鎧の背後に隠れ、盗み聞いていた。


やばいやばいやばい。バレるにしては早すぎない?


やっぱり、リオンを人質に連れてくればよかったか?いや、パトリック殿下はおそらくリオンが死のうが死なないが構わずに私を捕らえるはず…。そんなことしたって意味がないでしょ。


それにしても随分と早すぎない?まだ私、王城から抜け出せてないんだよ?…多分、正面にはもう人がいるだろうし…。きっとパトリック殿下も捜索しているはず。


リオンも見つかったのだろう。きっと、私に相当怒りを向けているに違いない。


…見つかったらすぐさま処刑エンドになりそうね。もう後戻りはできないわ。


一歩一歩を慎重に歩く。


ひとまず、王城内から抜け出さないと。でも、入口は殿下の騎士たちがふさいでいるはず…。きっと裏口も。あの人は優秀だからそんなヘマはしない。唯一のヘマとしては、あの2人を私の監視役にしたことだけど…。


って、今はそんなことを考えてる場合じゃない!どうやって出る…?出入り口は封鎖されていると仮定して、普通の令嬢じゃああり得ない場所から出るって…。


ふと、考えていると出入り口から出ずに王城から出る方法を思いついてしまった。


「…。」


私は中に人がいなさそうな使用人の部屋の扉をじっと見つめていた。




***




使用人の侍女の服を着たのち、私は使用人の方々の洋服やカーテンなどを一本の紐のようにして窓からホオリ投げた。王城であるからか、下を見れば結構な高さがあることがよく分かる。


ここから出来る限り下に降りて、地面に飛び降りる…。これしかない。それに万が一見つかっても、使用人の格好をしているからバレないはず…。


問題があるとすれば本当にそれが可能なのかだ。


「…。」


あまりの高さに少し怖気付いてしまう。


私は前世から運動は不得意で苦手であり、転生したセリーナだってそう。まぁ、殿下ウケをするために作者がわざと運動皆無の設定にしたのかもしれないけど。


…そんな私に、できるの?


扉の先からは走り回る足音。おそらく、私を探す者たちなのだろう。


「…。」


見つかったら死。ここで落ちても死。だったら…


「一か八か。生き残る可能性にかけてみなきゃ…!」


私が覚悟を決めたところで、突然、扉が乱暴に開いた。私は入ってきた人物に目を見張ってしまう。


「エミル…!」


私の目にうつった彼女は糸を両手で張ってもっており、だけれど笑顔で微笑んできた。だけれど、その笑みは今までみたことのないぐらい不気味な笑み。まるで悪魔そのものだった。

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