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23 脱走開始

22話の子守唄の歌詞絶望的でごめんなさい。とっさにあれしか思いつかなかったんです(笑)

「…。やべ。寝てたか。もう、11時30分なるぐらいかよ。あーっと、悪女様は…。」


リオンはあくびをしながらも、牢屋へと目を移した。すると、その牢屋にはどうやら人がいない。


「なんだ不在か。…へ?」


もう一度、目の前で起きている状況を確認していた。ある鉄格子がなくなっている様子。細身であり、軽めな服装をしている小柄な人物であれば、頑張れば通れるぐらいのだ。


「おいおいおい。んなわけないだろう…。」


少し慌てた様子でいており、すぐ横にかかっていた鍵をとって、真っ先に牢屋の鍵を開け、中へと足を踏み入れた。中を確認しても、あの悪女様はいない様子。


「嘘だろ…!?」

「現実。」


リオンが振り返るとともに私は牢屋の扉を閉め、かけっぱなしであった鍵を閉めてやった。そう、リオンを私がいた牢屋に閉じ込めてやったのだ。


「どうやって外に出た!?やっぱ、あの鉄格子か!?」

「あんな狭い場所、ドレスなんか着てる私が通れるわけないでしょ。だから私はこの扉の裏に隠れていたの。で?あなたが入ってきて牢屋を見る隙に扉から牢屋に出て閉めたってわけ。」


牢屋の鉄格子からは扉の裏が丁度見えない。だからこそ、一度脱走されたと勘違いをさせ、中を確認する隙に出る…私って度胸だけはあると思うんだよね。


「では、しばらく牢屋生活を楽しんでくださいね〜。」

「ちょっと、ここから出してくれよ!」


私は鉄格子越しに彼に顔を近づけた。そして、笑顔でこう言ってやった。


「嫌ですよ。なんて言ったって、私…あなたがいう悪女ですから。」


そう言って私は走って地下牢に繋がる階段を駆け上っていった。


さぁ!脱走開始よ!




***




リオンは大丈夫だろうか。あの牢屋からは鍵でも開けないかぎり出れやしない。大丈夫だとは思うが…。


そんなことをぼんやりと考えながら廊下を歩いているとある違和感が目にうつった。


「ん?」


俺はその違和感の元へ近づく。この王城にはたくさんの鎧が置いてある。その鎧の手には武器を持っていることが多く、まれに両手で武器を持っている鎧が存在する。


ここに置いてあった鎧…リオンとあの女を連れて行く際には両手で武器を持っていたはずだ。それにわずかに位置もズレている。


この鎧が持っていた武器は…確か短剣だったか?


俺がいない間に誰かがこの鎧を動かし、短剣を盗んだのか?王城のものを盗むことは重罪だ。あとで犯人を見つけなければならないな。


鎧から目を離し、再び歩こうとする。そのとき、ふとあることを思い出した。


そういえば、牢屋に入る時のあの女…最初にみたときよりやけに右に不可がかかっているように見えた。…もし、短剣が右のポケットなどに入っていたとしたら?


「重さで傾いていたと考えるのが自然…。」


…まだ証拠もない。それに他のものが盗み出したかもしれないが…。


「確認はしに行ってみるか。」


牢屋へと向かうと、なにやらものすごい物音がした。誰かがなにかで鉄格子を打ち付けるような音だ。それと、男が必死になにかをする声が聞こえてくる。


おい。見張りはどうなっているんだ?


そう言いたかったが、牢屋の前にリオンは見受けられなかった。牢屋の中にはいたが。


「…遊んでいるのか?」

「むしろこれのどこが遊んでる風に見えるんすか!」

「あの女はどうした?」


俺の言葉にリオンは俯きながらも口にした。


「逃げられました。」

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