ep.46 戦える者を集めます
日が落ちる前に、食事処の広間へ村人と旅人が集まっていた。
グレアムが、森で確認された群れの規模と、逃げてきた冒険者の証言をかいつまんで説明する。場の空気が、みるみる張り詰めていった。
「杖を持ったゴブリンが指示を出してたって話、本当か?」
「本当だ。ラゴスと、森から逃げてきた冒険者が同じものを見ている」
グレアムが答えると、ざわめきが広がった。
「今、村に泊まってる冒険者は何人いる?」
グレアムの問いに、リゼットが指を折りながら数える。
「六人くらいです」
「装備の傷んでる奴は、先に見せてくれ。直せるものは直す」
ダグが声を上げると、何人かがその場で武器を確かめ始めた。
シャーロットも一歩前へ出た。
「怪我をした人が出たら、私の店を使ってください。道具も薬も、ある程度は揃ってます」
「頼めるか」
「はい。ただ、一人で全員は見きれません。手伝ってくれる人がいると助かります」
旅の冒険者の中から、治療の心得がある者と、荷運びを手伝える者が名乗り出た。
「戦える者は、今夜から交代で村外れを見張る。明るくなったら、森の様子を探ってもらう」
グレアムは集まった村人たちを見回した。
「子どもや年寄りは、何かあったらすぐ移動できるよう準備しておいてくれ」
村人たちが、それぞれ険しい顔で頷く。
会が終わりかけた頃、シャーロットはカリナとイリスの顔を思い浮かべた。
二人をどこで待たせるかも、決めておかなければならない。
外へ出ると、夜の闇が村を包み始めていた。
森の方角へ目をやると、いつもと変わらない静かな稜線が続いている。
その静けさが、かえって落ち着かなかった。




