↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
40/56

ep.40 畑で薬草を育てよう

 薬箱の在庫を整理しながら、シャーロットは棚の隙間が目立つことに気づいた。


 濃縮ポーションの評判が広がってから、店を訪れる冒険者も増えている。傷薬や熱冷ましに使う薬草まで、自分の畑と、森や道端で摘める分だけでは追いつかなくなってきていた。


「最近、薬草の在庫がなかなか保たない」


 グレアムに愚痴をこぼすと、彼は少し考えてから言った。


「畑を余らせてる家、何軒かあるぞ。裏作にでもどうだ」


 その話は、思ったより早く形になった。


 数日後、畑仕事をしている家の一人が、シャーロットのもとを訪ねてきた。


「薬草って、うちの畑の隅でも育てられるもんかい。今の作物の合間に」


「畑の様子を見せてもらえれば、合いそうなものを選べると思います」


 シャーロットは傷薬や熱冷ましによく使う薬草をいくつか挙げた。土の状態や日当たり、水やりの頻度も、分かる範囲で伝えていく。


「この辺りで育つ種類なら、特別に難しい手入れはいりません」


「収穫したら、買い取ってもらえるのか」


「はい。安定して仕入れられるなら、こちらもありがたいです」


 話を聞きつけて、別の農家も同じように相談へ来た。


 二軒、三軒と、畑の隅に薬草の苗が植えられていく。


 魔力を注いで育てる株については、まだ話さなかった。あれは今も、手探りで育てているものだった。


 数週間後、畑を回ると、あちこちの畝の端に見慣れた葉が伸び始めていた。


「うまく育ってるといいけど」


 独り言をこぼしながら、シャーロットは自分の畑へ戻った。


 隅に印をつけた株だけが、ほかより濃い葉を風に揺らしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。