ep.32 四本分の濃縮ポーション
苦味を抑える方法が見つかってから、シャーロットは分量の調整に取りかかった。
普通の魔力ポーション四本分を、小瓶一本へ収めるには、どこまで量を減らせるか。
薬草液をそのまま四本分合わせても、小瓶には入りきらない。
処理した薬草液を、少しずつ煮詰めて量を減らしていく。減らしすぎれば、以前のように刺激が強くなりすぎる。そのぎりぎりを探る作業だった。
出来上がった一本は、魔力をかなり消耗した日に試すことにした。
瓶の中身を飲み干し、身体の内側へ魔力が満ちていく感覚をじっと確かめる。
かつて仲間の魔力残量を見極めていた時と同じように、自分の状態を追っていく。
一本飲んだだけで、思っていたよりもずっと戻っていた。
「……これ、四本分くらいある」
念のため、別の日に同じくらい魔力を消耗した状態でも試してみた。
結果は大きく変わらない。おおよそ、普段の四本分に近い効果が、この一本へ収まっていた。
味は、決して美味しいとは言えない。
それでも以前のような刺激はなく、飲み干すのをためらうほどではなかった。
瓶を灯りへかざすと、中身は普段の魔力ポーションより、ほんの少しだけ色が濃い。
「本当に、できた……」
声に出してから、シャーロットは瓶を大事そうに両手で包んだ。
量産できるかどうかも、値段をどうするかも、まだ決めていない。
シャーロットは同じ手順で仕上げた一本を、棚のいちばん手前へそっと並べた。




