ep.31 苦味がかなり減りました
翌朝から、シャーロットは調合の手順を一つずつ見直していった。
刻む大きさを変えてみる。煮出す時間を短くしてみる。水に浸す時間だけを長くしてみる。
どれも大きな違いは出なかった。
「じゃあ、これは?」
思いついて、煮出す前に薬草を一度冷たい水へさらしてみた。えぐみのもとになる成分が、先に水へ抜けるかもしれない。
しばらく置いてから、いつもの手順で煮出す。
出来上がった液は、色こそ変わらないが、匂いがいくらか和らいでいるように感じた。
ほんの一口だけ含んでみる。
「……あ」
舌に来る刺激が、前回よりずっと控えめだった。
苦味自体はまだ残っている。けれど、喉に刺さるようなえぐみは、ほとんど気にならなくなっていた。
水にさらす時間を少しだけ変えて、もう一度試す。今度は、苦味の角がさらに丸くなった気がした。
「これなら、飲めるかも」
小瓶に詰め、しばらく置いてからもう一度だけ味を見る。
魔力の効きは変わらず強い。それでいて、飲み込むまでの苦しさは、普段のポーションと大差ないところまで下がっていた。
美味しいと言えるほどではない。それでも、前とは明らかに違う。
シャーロットは残っていた薬草をすべて同じ手順で処理し、いくつかの瓶へ分けて並べた。
並んだ瓶を、順番に光へかざしてみる。
見た目では、違いはほとんど分からない。
「あとは、量だ」
一本にどれだけ詰められるか。
次に確かめるのは、そこだった。




