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ep.27 魔力ポーションは不味すぎる
昼過ぎ、杖を担いだ女がまとまった数の魔力ポーションを買いに来た。遠征の準備だという。
「十本、お願いします」
シャーロットは棚から瓶を取り出しながら数える。
「長めの依頼ですか?」
「ええ。森の奥で三日ほど」
代金を払いながら、女は瓶を一本手に取り、うんざりした顔で眺めた。
「これ、何本飲んでも慣れないのよね」
「苦いですもんね」
「苦いのはまだいいの。戦闘中に何本も飲むと、お腹がたぷたぷになって動きにくくなるし、変な話、トイレも近くなるし」
「それは……大変ですね」
「瓶もかさばるでしょ。腰に何本もぶら下げてると、走るたびにカチャカチャ鳴るし、いちいち栓を開けて飲む時間も惜しいのよ、戦ってる最中は」
女は瓶を鞄へしまいながら、ため息交じりに続けた。
「四本分を一本で飲めたらいいのにって、いつも思う」
「四本分を、一本に……」
「そう。量だけぎゅっと詰められないものかしらね。まあ、無理な話だけど」
女は軽く笑って、鞄を背負い直した。
「また補充に来るわ。ありがとう」
戸口を出ていく背中を見送ってから、シャーロットは調合台の端に置かれた空き瓶へ目を留めた。
言われてみれば、確かにそうできたら便利だろう。けれど、そんな話は今まで聞いたことがなかった。
棚に並んだ魔力ポーションの瓶を、シャーロットはしばらく眺めていた。




